
今回、お話するのは「脳梗塞の方の排便確認」について。
前回の記事に実はつながっています。
↓調剤喫茶OPEN①
調剤喫茶OPEN! 体調の不安・違和感、心を晴らすサポートをします! – Unique バリアフリーな生き方・生活・情報発信Media (unique-w.net)
訪問先の患者さんに僕は、
「最近ウンチは硬かったり、出にくかったりしませんかー?」
と聞きました。
それには理由があって、その方の排便を知ることで、気を付けなければいけないことが見えてくるからなんです。
気を付けたいポイントは3つあります。
①排便したくない気持ち。
ご自身でトイレに行くことが容易ではない場合、オムツ内で排便するということも珍しくありません。
そんな時、自分だったらどう思うか…。
オムツ内での排便は気持ちがいいものではありませんよね。
だから、僕だったらできるだけ便を出さなくてもいいようにと考えてしまいそうです。
皆さんはどうでしょう?
便を出さなければ嫌な思いも手間もかからない。
そう思うと、食事を摂らなくなったり、便を過剰に我慢して便秘になってしまうことも少なくないんです。
②便秘による食欲低下・栄養状態の悪化
人は生きているだけでエネルギーを消費します。
呼吸をすれば横隔膜が運動し、心臓は絶えず全身に血液をめぐらせています。そのため寝たきりの方にも食事は欠かせません。
けれど、①にもあるように食事を摂りたくないという気持ちになってしまうと、栄養状態が低下しないかが心配。
十分な栄養が吸収されていないと、ちょっとした傷が治りにくかったり、床ずれができてしまって手術になってしまったりといったことも…。
そうなる前に、“食事を摂りたくない”といった気持ちに気付き、そしてそのままにしてしまわないようにいなればなりません。
介護や看護など、患者さんのサポートに関わる人たちが、そのことに気付き、食欲を落とさないためにどうしたらいいのかを考え、早めに対処する方法を見つけていくことが大切だと思っています。
③血便・下血・痔の予防
便秘は大病のもとです。また副作用の早期発見のためにも便秘は避けた方が良いでしょう。
前回、お話の中に登場した患者さんは、脳梗塞後遺症の方です。脳梗塞を患った方のほとんどは抗血栓薬(血液サラサラ)を服用しています。
新たな血栓をつくらないことが重要なので、その薬は、再発防止のために継続的に服用しなければなりません。
そうなると心配なのは副作用ですよね。
抗血栓薬の副作用でわかりやすいのは「血が止まらないこと」や「痣になりやすいこと」ですが、最も注意が必要で重大な影響をもたらすのが身体の中の出血、「内臓の出血」です。
身体の中の出血は、見ることができないし、どう発見したらいいのか…。
そう、その方法の一つが便の確認なんです。
便が赤ければ大腸や肛門付近の出血を、便が黒ければ食道や胃の出血が疑われます。
またいつから色が変わったのかがわかれば、症状の発現時期や深刻さの判断がつきやすくなります。
でも、便秘では異変がいつ起こったものなのかがわかりずらくなってしまうんです。
さらに、便が硬い人は痔にもなりやすいですので、それも要注意。一度、痔から出血してしまうと抗血栓薬が効いている方はなかなか血が止まりません。痔の予防のためにも便秘には気を付けたいもの。そのためにも、“うんち確認“大切でなんです!
気持ちからスッキリ!
高齢者や病気を患っていないくても、お話した方のように気持ちが引き金となって排便に影響を及ぼし、下痢が続いたり、便秘や栄養状態が低下している人もいます。
「いろんな薬を試したけれど、なかなか改善されない」
「よくなっても、すぐにまた戻ってしまう…」
そんなときは、自分の気持ちを変えていくことに目を向けてみてはいかがでしょう?
一人で抱えないで、悩み、不安、うまくいかないことなど、心の内を話してスッキリすることも大切です。
どこで話そう? 聞いてもらおう?
そう迷ったら、「調剤喫茶」でお話しませんか?
◆「質問箱」にご連絡ください。
相談や質問、話したいことはコチラにどうぞ。名前を入れなくても大丈夫です!
雑談からはじまる“対話”と“つながり”の医療を
「あたりまえ」に。

その他、不定期のイベントについては公式LINEより発信しています。
6月5日はクラフトジンジャーシロップの創作イベントを実施予定です!
石丸勝之(いしまる かつゆき)です!
愛する奥さんと愛猫かぼちゃさんと暮らす30歳です。
「誰も寂しくないまちづくり」を旗に掲げて、屋台を引いて町に出ています。
趣味はドライブとキャンプ、DIY、新しい発見とそれらを繋ぐこと。
薬剤師としては、これまで病院・施設・保険薬局を経験し、現在は在宅医療専門の薬局に従事しています。
たくさんの方の生活に密着し、生活の中からお役に立てることを探すお仕事です。
※SNSのリンクやこれまでの活動はコチラ
https://lit.link/chozaikissa
Unique掲載記事 interview