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9月の難病Café「ヒヤリハット!」

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9月の難病Café「ヒヤリハット!」

9月12日、19:30~行われたicotto難病Caféのご報告です。

今回のテーマは「ヒヤリハット!」。

介護生活を送る中で、危ない!と思った出来事、心配や不安になった経験を共有して、気をつける事の学びなるように“ヒヤリハット”について経験談を話し合いました。

誰かの役に立つために・・、皆さんのヒヤリハットを伝えます。


難病患者歴22年、人工呼吸器をつけているOさん

①人工呼吸器のフレックスチューブに穴が空いていました!看護師さんが人工呼吸器のリーク(漏れ)の数値にいち早く気付いてくれたので助かりました。

➠フレックスチューブも不具合が出たときのために常に替えの用意が必要。外出の際も予備の用意を!

②外出中に、人工鼻が目詰まりして、水分が溜まってしまい呼吸苦になりました。
スタッフさんにアンビュー(鼻と口から空気・酸素を送り込むための手動の人工呼吸器)を押してもらいながら外出先で病院に救急搬送されました。受け入れ先の病院はスタッフさんが見つけてくれました。今は、外出時には予備の人工鼻を数個用意するようにしています。

➠外出の際もアンビューバックの用意は必須!いざという時のために、遠方での外出の場合は行き先の救急病院などをチェックしておいたほうが安心。

➠人工鼻は目詰まりするものなので、頻繁にチェック、交換が必要!

★参考:南京病院「人工呼吸器の基礎」


自薦ヘルパーで自宅介護を整え中のYさん

①ヘルパーさんがウォーターサーバーの熱湯を冷まさずに胃ろうに入れようとしたのを、直前で私が気づきギリギリセーフ。

②看護師が爪切りの時、肉まで切った!

③入浴介助の際、浴槽をまたぐ時に上げた足を不意に持ち上げられ、バランスを崩して壁に頭が激突。湯船に落ちそうになりました。

④口の吸引をしている時、痰がカニューレに詰まり窒息しているのに、吸引することに集中し過ぎてアラーム音を気にせずに口吸引を続行。夫が気付いたので大事に至らず済みました。

➠訪問でサポートするヘルパーや看護師さんのうっかりミスや介助の経験不足から起こるトラブルも多いのが現状。トラブル後の報告はミス防止のために必須だけど、患者の心のケアも最優先にしてもらいたいものです。患者がトラウマにならないように、信頼を回復できる対応が必要です。

 

2人のお子さんの子育てにも奮闘中のMさん

—-Mさんから提供された文を掲載(ご本人いわくホラー系のイメージ)

ある夏の夜のことでした。
その日は、私の両親と兄妹と山の中のホテルに泊まっておりました。
食事はどれもおいしく、呼吸器をつけている私は、ゆっくり、時間をかけて食事をしておりました。
食べ終わった者たちは、それぞれお風呂に行ったり、花火をしたりするために、一人減り、二人減り・・。
とうとう、広い宴会場には、私と食事介助をしてくれるヘルパーさんの二人だけになりました。

すると、急に首を絞められたように苦しくなり、どこからともなく機械の音が聞こえてまいりました。

・・・・・・・・。

なんと!バッテリーで動いていた呼吸器のバッテリーがなくなり、呼吸器から空気が一切送られてこなくなったのです。
苦しみながらもなんとかヘルパーさんに呼吸器をコンセントにつなげてほしいと伝えることができ、息をすることができました。

思えば、呼吸器のバッテリーが長持ちになり、ちょっとした外出では切れることがなかったので、バッテリーの持ち時間のことをすっかり忘れていました。
それからは、外出先ではコンセントがあるところでは欠かさずつなげるようにしています。
今でも、ふとあの時、「コンセントにつなげてほしい」がヘルパーさんに伝わらなかったら・・と思うとゾッとします。

➠バッテリーの持ち時間と外出先で電源が確保できる場の確認は外出時のチェック項目に追加したほうがいいですね。

 

一人暮らしの重度保問介護生活に挑戦中のAさん

近所のお祭りに行った時に、たこやきが食べたくなって買って帰りました。
お祭りの雰囲気にすっかり気がゆるんで、たこやきをそのまま食べてしまったんです。

タコも刻まずに大きいままだったので、のどに詰まり、ヘルパーさんにすぐにカフアシストをしてもらって助かりました。
家でよかった。

それ以来、外出時でもカフアシストは必ず持参するようにしています。

➠カフアシスト(咳の介助(代用)をして、気道内分泌物を除去するのを助ける医療用機器)。環境が変わると(外出時)は、気分が変わって当事者もヘルパーも油断しがち。日ごろからいざという時の備えと訓練を。

 

胃婁を検討中のTさん

看護師さんに入浴介助を受けています。毎回、同じ方が付いてくれるわけではありません。人により介助がうまい、下手があるので、介助があまりスムーズでない方が付いた時に、お風呂に落ちて頭を打ったことがあります。
そのトラブルがあったことで、一人では介助できないとなり、ヘルパーさんと看護師さんの2名体制になりました。

➠入浴介助でのトラブル。当事者の介護度や体系にもよるけれど、2名体制ができれば安心につながりますね。介助者に声かけしながら等、言葉でのコミュニケーションも危険防止に少しは役立つかもしれません。

 

スマートホーム化での介護生活を実践中のOさん

身体ケアや日々の生活について手順書を出しているが、理解してくれないヘルパーさんがいて、それが困り事。会社とヘルパーさんの温度差を感じています。

とくに機械系の扱いや使い方を覚えない人、理解してくれない人はミスが多く、誤った機械操作で危険を感じることがあります。

電動車椅子のスイングアウト機能や移乗の際に使うスリングシートの使い方の誤りで、何度か危ない目にあっています。

➠スイングシート(リフトと組み合わせて移乗用に使用される介護用シート)、車椅子のスイングアウト機能( 車椅子の脚部を外側に開くことができる機能。 介護者が安全かつ効率的に利用者をベッドから車椅子へ移動させるために使用)の使い方は、事業所等で十分に練習してもらいたいですね。YouTubeでも多数紹介されています。

 

アレクサを使って照明やヒーターを作動させるようにしているのですが、ヒーターのつけっぱなしがあり、その近くに置かれたスリングシートの紐が焦げるという事件が発生。もちろん報告して問題にしたんですが、ヘルパーさんは認めず、結局うやむやになってしまいました。このようなことがいくつかあるので、信頼できないもどかしさを感じています。

➠機械系の操作は誤ると事故に発展することも!知らない、分からないでは生活のサポートはできないのだから、事業所(行政なども)は事前学習や経験を得る場を作ってほしいです。“もどかしい”思いを情報として提供して伝えていきましょう!

リフト・スリングシート(イメージ)
スイングアウト機能付き車椅子(イメージ)

 

臨床工学技士で介護テクノロジーの提供を行うIさん

病院では、当事者の方からヒヤリハットがあったことを教えてもらうと「教えてくれてありがとう」という受け止め方をしています。でも在宅介護の現場では、まだそういう姿勢が十分でないようですね。

 

介護福祉機器は専門分野なので、ヒヤリハットに関する資料をご提供します。
★参考:在宅医療機器のヒヤリハットと災害対策

人工呼吸器に関わる気をつけたほうがいい点ですが、人工鼻は詰まります。詰まるものだという認識でいたほうがいいです。病院だと24時間に1回交換しています。

また、人工鼻を使っている人は同時に加温加湿器は使いません。人工鼻のフィルターがふやけて役割をしなくなるので、同時併用はできません。

知っていると気をつけようという意識が働くので、危険を回避できることも増えると思います。そういう意味でもヒヤリハット情報は介護生活に必要な情報です。
ヘルパーさんにも資料や動画などで情報提供をして伝えていくほうが、理解されやすいと思います。

参加の皆さん、情報提供ありがとうございました!