今日も、明日も、みんなが笑顔でいられますように。
落ち込んだり、笑ったりしながらALSという難病と向かい合い、自分に正直な思いを綴った彼女のブログには、闘病を応援しあい、共に涙を流し、一緒に喜んだり笑いあう、そんな温かい人の“繋がり“を感じます。
人と人とが繋がっていくことで、どんな喜びや可能性が生まれていくのか。mikakoさんがご自身のブログと同じ、飾らない、素直な言葉で語ってくれました。
Interview
ブログでの繋がりも心の支え。みんなに感謝でいっぱい!
mikakoさんがブログを始めたのは、日記のように、思ったことや出来事を記録に残しておくためだったそうです。
「いつの間にかたくさんの人と繋がって、今では心の支えになっています。
ブログで知り合った同病の人たちはわかりあえることも多く、励ましあって、元気をもらえる大切な存在です。
ALSになった当初、同じ病気の人との出会いがなかったので、不安だし、心細いし、孤独でした。だから、ブログをとおしてたくさんの人と繋がれたことがすごくうれしいです。病気になると、体だけじゃなく心の支えも必要だと思います。わたしは、ブログ仲間に何度、助けてもらったことか…。
たくさんたまった感謝の気持ちで、恩返ししたいなって思ってます。」
彼女のブログに励まされた人、がんばろー!って元気をもらってる人、たくさんいます。発信するmikakoさん自身も同じ気持ちだったんですね。
ブログという間接的な方法であっても、病気の苦しみを分かりあえる人との出会いに、救われることがたくさんあります。
mikakoさんは「人が好き。人と繋がっていくのが喜び」という言葉どおり、ブログで繋がった細い糸を紡いで、強く、太くする達人ですよね!
「わたし、本当は大人しくて、人見知りなんです」((笑´∀︎`))ヶラヶラ
いえいえ、何をおっしゃいます。
でも、そんなお茶目なところもステキです。
ちなみに、わたしは、自分の気持ちを手書き文字や絵で表現したmikakoさんの手作りメッセージが大好きなんです♥
mikakoさんのブログはこちら↓
https://ameblo.jp/mikarin0531/
聞いてほしい、知ってほしい、小さな願い。障害があってもお洒落でいたい。
多趣味なmikakoさんに、
「一番、やりたいと思っていることは?」と質問。
う~ん、う~ん…と考えて、考えて…、やりたいことが多すぎてなかなか優先順位がつかないようです。彼女曰く、「かさばらないから、やりたいことはたくさんあっていい」とのこと。
確かに、いっぱいあれば、それだけワクワクもたくさんになる。やりたいことは生きる希望へと繋がっていくから、あるのとないのとでは大違い。
「最近よく考えるのは洋服のことです。手が不自由なので、着脱や着ていてラクな服装がベスト。でも機能ばかりよくてもダメなんです。やっぱりお洒落をして出かけたい。そういう思いに応えてくれる洋服がないんですよね。あったら喜んでくれる人がたくさんいるはず。だから、なんとかして作れないかなー。まだ、まったく未開拓の状態ですが、こうやって声に出していくことでいろんな人に思いが伝わり、新しい可能性が生まれることを願っています」
確かに、障害があるとか無いとか関係なく、女性はいつだってお洒落していたいと思いますよね。
近い将来、ユニバーサルデザインのファッションブランド『MIKARIN』が登場するかも。楽しみにしていますね!
当たり前はひとつじゃない。
いろんな当たり前があってもいいんじゃない!
ALSになって変わったことがありますか?
「今までできていたことが、段々できなくなってくると、当たり前と思っていた生活が成り立たなくなってきて、やっぱり落ち込みます。お箸でご飯を食べて、自分で着替えて、髪をとかして…今のわたしは、やってもらうのが当たり前になってきて、家族の負担を思うと心が痛みます。
でも、当たり前って一つじゃないし、いろいろあっていいんじゃないって思うようになりました。ウチはウチの当たり前があって、それが他の家と違ってもいいんです。家族が笑っていられるのであれば、問題ナシなんです。」
mikakoさんは、落ち込んでも、またすぐに前向きになって歩き出す。どうしたらできるの?その秘訣を教えてほしい!
「思い込みとひらきなおり、この2つが大事!。自分を信じて思い込む、さらにみんなが笑って暮らせればいいんじゃないって開き直る。どうぞ、お試しください(笑)。
それと、わたしの場合は、主人だけでなく娘にも支えてもらっているので、娘のことを思うと、くよくよなんてしてられないんです」
mikakoさんが愛情をめいいっぱい注ぐ娘さんとのエピソードをひとつ、教えてくれました。
毎日、mikakoさんの身支度をサポートをしてくれている娘さんに、「毎日、お母さんのこと面倒じゃない?」ときくと、「お母さんは、わたしが赤ちゃんの時に面倒だと思った?わたしもお母さんと同じだよ。」と思ってもみなかった答えが返ってきて、涙が止まらなかったそうです。
愛情の積み重ねに勝るものなしですね。
これからも、わたしらしく生きていく。
そのために…。
「わたしは、これからも変わらずにいろいろチャレンジしていきたいと思っています。年齢や性別、障害があっても諦めたくない。だから、たくさんある夢を全部を叶えるのが夢。いろんなことに挑戦していきたいんです。」
自称アナログ人間のmikakoさんが、オリヒメパイロットの1期生になったのも挑戦の一つ。先端のテクノロジーの力を借りてたくさんの人と繋がり、夢を叶える貴重な体験ができたことに感動したといいます。
2021年6月から新たな挑戦開始!分身ロボットcafe「Dawn」のバリスタで活躍中!
mikakoさん、人の輪がどんどん広がりますね!
「確かに、うれしいこともいっぱいありますが、病気は止まってくれません。だから、これから先、自分らしく生きていくことができるように、新しい人の繋がりを作っていきたいと思っています。
わたしは、病気がもっと進行したら、身近にサポートしてくれる方が必要になります。その時は、お互いを理解しあえる方と、一緒に楽しんだり支えあったりしながら大切な時間を共有していきたい。それは、パーソナルアシスタントという新しいサポートスタイルです。前例がほとんどない状態なので、実現できれば生き方の選択肢が増えることになり、暮らしやすさの幅も広がると思います。
どんなに体が不自由になっても、自分らしく生きていきたい。それはみんなの願い。
だから、わたしはこれからも、諦めないでその思いを伝え続けていきます。」
自分らしく生きる。
答えを出すのは簡単そうで難しく、誰もがぶつかるであろうこの壁は、わたしにとっても大きな課題です。
mikakoさんの言葉「諦めない」を忘れないでいたいと思います。
これからも、ずっと。
注:分身ロボット「OriHime」
㈱オリィ研究所が開発。身体に障害があるなど、外出困難者の遠隔就労の実現、病気で学校に通えない児童・学生の遠隔教育ツールとして注目の分身ロボット。PCやタブレット、スマートフォンによる手軽な操作が可能。㈱オリィ研究所 https://orylab.com/
※このインタビューは2020年5月にnote「NOW・いま」に掲載した記事を一部更新して「Unique」で掲載しています。
Unique運営事務局 Writing RieMaeda