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暮らしの中に必要な支援を考える。秋山正子さんInterview!

「暮らしの保健室」、「マギーズ東京」の開設という偉業を成し、ケアーズ白十字訪問看護ステーション統括所長も勤められる秋山正子さん。

コロナ感染の不安が広がり、医療、看護、介護へも影響が及ぶ中、制限しながらも、相談者への対応を続けられています。
心の不安を受け止めてくれる存在が、どれほど人の支えになるか。
身に染みて感じる今日この頃。
“暮らしの中に必要な支援”について、秋山さんの思いをお伝えします。


扉の中は暖かいもう一つの我が家。
「暮らしの保健室」のこと

大都会新宿にある戸山ハイツ。ホッと安らぐ懐かしさが漂うエリア。

秋山正子さんが開設した「暮らしの保健室」は、東京新宿区、築50年を超える「戸山ハイツ」33号棟の1階にあります。

木香を感じるウッドな造りの外観は、昔ながらの商店街の中では目を惹く存在。夕暮れ時、窓から漏れる優しい灯りからは、ふと覗いてみたくなるような人肌の温もりが感じられます。
ここは、誰でも自由に訪れて、体のこと、病気のこと、介護や看護のことを相談することができる、まさに“保健室”。
そして、この地に住む人々の孤独を癒し、不安や悩みを話せる心の拠り所でもあります。

秋山さんに、この「暮らしの保健室」でお話を伺えることになりました。


-とても落ち着く室内ですね。大都会の中にいるせわしさをまったく感じません。


秋山正子さん(以下:秋山さん)「ここは2011年にオープンしました。予約がいらないこと、いつ来てもいいこと、相談料がかからないこと、そして木を使った安らげる空間という、マギーズの考え方を取り入れて造ったんです」

楽し気なおしゃべりと、笑い声が溢れてる「暮らしの保険室」。地域の人の憩いの場。

-「マギーズキャンサーケアリングセンター」の創設者、マギー・K・ジェンクスさんの考えですね。優しい照明と自然を取り入れた温かい雰囲気、リラックスできる空間。
これは「マギーズ東京」と同じコンセプトなんですね。


秋山さん「そうですね。病院でも自宅でもない、第二の我が家のような居場所。それがイメージです。
ここは、2017年にグッドデザイン賞を受賞しています。「暮らしの保健室」の考え方を含めて評価していただようです」

「暮らしの保健室」は、マギーズをお手本にしたけれど、違うところは病気に限らずに、地域の方からの相談やご質問に対応しているところです。
例えば、「家族が認知症になった」「旦那が病院に入院してしまった!」と不安な気持ちをお話に来る人がいたり、「何の薬か分からなくなってしまった」といった困り事を相談に来たり。
ほんのちょっとしたことだけれど、わからなくなったり、不安になると、先に進めないんですよね。
「暮らしの保健室」は、そういうちょっとした分からない事を気軽に話せる場所なんです」

2017年度グッドデザイン特別賞を受賞。「地域経済の活性化により経済発展に寄与するデザインとして特に優れたもの」として選出。


迷ったり、不安になったり、
困った人への道先案内。

-いろんな相談がくると、対応しきれないこともたくさんあるのではないでしょうか?
相談を受けるのはとても難しいように思います。上手な対応のコツというのはありますか?


秋山さん「私たちの相談支援は、セカンドオピニオンではないので、治療や医療に関して答えを出していくことはしていないし、できないんです。相談を受ける時は、相手の話をよく聴いて、一番大事にしていることは何か、何を解決したいと思っているのかを知ることから始めます。
それが分かってきたら、悩んでいる中身を少し整理して、次に何を選択していくかを考え、その人が次に進んでいくための道先案内をしていくような感じです」


-「道先案内」とは、とてもわかりやすい表現ですね。
秋山さんのそうした考えは広がっていて、「暮らしの保健室」は全国に50ヵ所以上開かれているそうですが、どの地域でも同じように運営されているのでしょうか?


秋山さん「「暮らしの保健室」は、立ちあげた方や地域の特性など、各施設がそれぞれの状況に応じたスタイルで運営を行っているんです。
ただ、考え方や基本方針は皆同じです。
患者さんや相談に来た方とは常に横並びの関係で、専門職が知識を伝授するとか、教え諭すようなことはありません。悩みをきいた上でどうしたらいいのかを一緒に考えて、病気や障がいをもった人が自分の足で歩いていけるようにする。
この、自立支援の考えはとても大切で、「暮らしの保健室」の柱になる考えです。状況が変わっても、これだけは、譲れないところですね」

何があっても訪問看護が維持できる。
その体制づくりが課題。

-ここ1、2年はコロナ対策で、入院すると家族や近しい人とまったく会えなくなってしまう状況が続いているので、自宅での療養を望む人が増えているようです。

訪問看護は、今、なくてはならない重要な存在ですが、利用者が増えていることもあり、人材不足の問題が益々深刻にならないかと心配です。


秋山さん「事業所の数は増えていますよね。ただ、ぎりぎりの人数で運営している事業所も少なくありません。そのため、災害やコロナなどの影響を受けると、人手に余裕がないために訪問ができなくなってしまわないかという心配があります。
誰かが休んでもカバーできるくらいの余裕ある人材確保ができればいいのですが…


看護師、ヘルパー不足は患者さんにとっては深刻な問題です。
解決への糸口があるとしたらどんなことでしょう?


秋山さん「人の問題は難しいですよね。白十字訪問看護ステーションのことを例に挙げると、訪問看護事業所の他に、看護小規模多機能型の施設「坂町ミモザの家」、そして「暮らしの保健室」といった事業内容の違う事業所を運営し、大変な時はみんなが連携して訪問看護を支えていくような仕組みを作っています。

話をしたり、相談できる場は、地域に住む人の支えになります。各家庭に訪問することだけでなく、目線を広げた地域のための活動が増えれば連携もとりやすく、人材確保にも繋がるのではないかと思っています」

「マギーズ東京」「暮らしの保健室」
大切なことは話を聴く。対話をすること。

東京の豊洲に開設された「マギーズ東京」。緑に囲まれ、ここだけ別世界のような雰囲気。

-「マギーズ東京」に行ってきました。都会の埋め立て地にこんなに自然を感じる場が存在することに、まず驚きでした。
室内の居心地もよく、訪れた人は緊張がほぐれて気分がよくなりますね。
環境って大事だなとつくづく思いました。


秋山さん「マギーズ東京の開設は、イギリスでセンター長を勤める方と、がん看護に関する学会で登壇者としてご一緒したことがきっかけになりました。
いつでも、誰でも相談に来れるように窓口を開き、がんを経験している人やご家族、友人など、がんに影響を受けるすべての人を受け入れて対応していることを知り、そういう場が日本でも必要だと強く感じたんです。
病院以外で、病気のことから暮らしのことなど、気軽に相談できる環境の整った場、というものがなかったんですよね。それで、マギーズをつくる運動を始めました。


-日本では前例もないし、発想や考えを理解されにくかったのではないですか?


秋山さん「そうなんです。整った環境の中、がんに影響を受ける人がいつでも自由に来て相談することができる。そんな場をつくると言っても、理解してもらうのは大変でした。
医療保険、介護保険も関係なく、収入源がない状態でどうやって運営するのかイメージできない…。ということをよく言われましたね。
でも、すでにオープンしていた「暮らしの保健室」がいい見本となって、支援へと繋げていくことができました」


-「マギーズ東京」、「暮らしの保健室」の両方で大切にしているのは、どんなことでしょうか?


秋山さん「相談者さんが、診断を受けて気持ちが下がっていたとしても、自分で決めて進んでいけるようにサポートすることが私たちの役目です。
相談に来られた方のことは、心理士、看護師などのスタッフが、毎日リフレクションという振り返りをして情報を共有しています。
誰が対応しても導く方向が同じになるようにするためです。

「マギーズ東京」を利用される方への関わり方で、一番大切にしていることは話を聴くこと。対話することです。
単なる傾聴ではなく、一緒に考え整理し、方向を共に探りながら話を聴く。それは、マギーズも保健室も同じです」

マギーズ東京の室内は木の香りでいっぱい。癒しとくつろぎの空間。

-気軽に相談できる場がある。
それは医療や看護に留まらずに、人の暮らしの大きな支えになっていると思います。
問題や不安が大きくなる前に、サポートできることもありますよね。


秋山さん「そうですね。今、生きづらさを抱えている人はたくさんいると思います。そういう方たちが気軽に相談できる場があると、問題に対して早めに対処ができるようになります。

例えば、体調が優れないとすぐに救急車を呼んで大きな病院に行こうとする人がいます。でも、それが一番いい方法かというと、そうではない場合もあります。
かかりつけ医がいれば、話をきいてもらって解決できるかもしれません。訪問看護が通っていれば、体調の変化に早めに気付くことができるかもしれません。そんなふうに、救急車を呼ぶことになる手前でサポートできることがたくさんあるはず。
ただ医療を使うのではなく、上手に医療にかかる。それは、必要以上に医療を使わないということも含めて、大事なことだと思います」


-難病でも、疾病の種類に関係なく、そうした垣根を越えて進む道を見つける場が必要です。
難病患者が気軽に相談できる場をつくりたいと、お話しを聴いてつくづく思いました。
少々、大きすぎる目標ですけれど…(笑)

幅広い世代の人が悩みや不安を
相談できる場を各地域に。


-自分の家で最後まで過ごしたいと望む人がいたら、その思いに応えていきたい。秋山さんは、そのために必要な道を一つひとつ切り開きながら歩んでこられていますが、これからさらに、どのような道をつくっていこうと考えていますか?

秋山さん「地域の中でいろんな人と手を組んで、そこに住む人が最後までこの街で、自分の家で過ごすにはどうしたらいいのか。そんなことを相談できる場が、もっともっと増えて、こうした考えが広がってほしいと思っています。

今、若い患者さんは、自分の意思で医療者と相談しながら治療を行っている人が増えていますね。患者さんが自分の意思で選択できる、そんな時代になってきているのだと思いますが、やはり迷いや不安はつきないのかと。
医療体制や考え方が変化しても、相談できる場、相談できる人がいることで安心を得られる人がいます。
そんなふうに考えると、「暮らしの保健室」は、これからもっといろんな世代の人に利用してもらいたい。そういう働きかけも大切だと思っています」


-最後に、今後の活動について、教えてください。


秋山さん「全国各地に広まった「暮らしの保健室」が、それぞれの地で次の世代が育ち、受け継がれていくのを見守っていこうと思っています」


とあるメディアに掲載されていた秋山さんの言葉で、印象深く心に残っている一文があります。

「お一人お一人の人生の最後の場面に出会うことは、その方の“いのち“を物語として受け継ぎ、次の世代へ語り継ぐ役目を負ったということだと思わされることも多々ある」

次世代へと繋げていく。
Uniqueも、こうした情報発信を行う上で、役目を負うのであれば、どんな役目なのだろう…と考えます。
もっと多くを経験し、もっと深く思考し、続けていかなければ見えないものなのかもしれません。
次世代へと繋げていく。
その役目を実感できた時、はたしてやり遂げたと思えるのか。
やり残したと思い、自分に落胆するのか。
先のことは見えないけれど、
一日、一日がその答えをつくる貴重な時間だということは、どんな時でも忘れずにいられそうです。

小さな町の保健室。秋山さんの考えが多くの地に広がり、人を支えているのだと思うと,温かい気持ちになれます。
年齢、性別、疾患、生涯、すべての垣根を取り除く集いの場が、これからも各地に、各町に、増えていくことを願います。



秋山あきやま 正子まさこさん
秋田市生まれ。
1973年聖路加看護大学(現聖路加国際大学)を卒業。看護師・助産師を経て、1992年東京の医療法人春峰会の白十字訪問看護ステーションで訪問看護を開始。
2001年ケアーズ白十字訪問看護ステーションを起業、代表取締役に。
2011年「暮らしの保健室」を東京・新宿に開設、2016年NPO法人マギーズ東京を設立。
2019年 第47回フローレンス・ナイチンゲール記章受賞

◆マギーズ東京
WEBサイト:外部サイトへ移動しますhttps://maggiestokyo.org

※マギーズ東京へのご寄付はコチラから↓

マギーズ東京 | マギーズ東京を支援する (maggiestokyo.org)

◆暮らしの保健室

WEBサイト:https://kuraho.jp/

※暮らしの保健室開設にご興味のある方へ・基本ガイド

https://kuraho.jp/steps.html

 

 Unique/Writing:Maeda Rie


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苦しいこと、つらいこと、抱え込まずに、話してみませんか。

エンドオブライフ・ケア協会
千田恵子さん
×
Unique 前田理恵

エンドオブライフ・ケア協会(以下ELC)業務執行理事の千田恵子さんとUnique代表の前田の対談です。
テーマは、「苦しいこと、つらいこと、抱え込まずに話してみませんか」。
苦しいこと、つらいこと。
嫌なこと、不条理なこと。
普通に生活していても、沢山あります。
解決できない苦しみに心が悲鳴をあげたり、孤独に押しつぶされそうになったとき、皆さんはどうしているのでしょう。

一人で抱え込んでいるのなら、話してみませんか。
苦しい胸を内を打ちあけてみてください。
つらい時を過ごす今よりも、
少しだけ、心が軽くなるかもしれません。

そんなわたしたちからのメッセージが、苦しみを抱えているたくさんの人の心に届きますように。


千田:苦しいことって簡単には話せないかもしれません。
前田:気軽に話せる環境づくりも必要だと思います。

前田:苦しみや悲しみって、喜びやハッピーな気持ちになるのと同じように誰もが経験することなんですよね。そう思うと特別なことじゃないし、「話を聴いてもらえますかー!」って、もっとオープンな感じで話せたらいいのにと思ってしまいます。


千田恵子さん(以下・千田):そうですね、話せたらいいのかもしれませんが、話せない、あるいは話さないのは、理由がいくつかあるのかなと思うんです。
誰にも言えないとか、わかってもらえないのではないか、言ったら重たいと感じて敬遠されてしまうかも…と一人で抱え込んでいる人もいます。
そのことを自覚している人もいれば、気づいていないという人もいます。

前田:たしかに、自分自身が抱え込んでいることにさえ気づいてなかったら、話せないですよね。
ただ、そういうモヤモヤしたつらさが自分の中でどんどん大きくなると、苦しみが何倍にも膨れてしまう。そうなる前に気づいたり、抱え込むのを止めることができたら、苦しい気持ちだって軽くなるとは思うのだけれど…。



千田:最初から自分の悩みを話そうって意識して話せる人は、そう多くはないように思えます。だから、苦しんでいる人に「ちゃんと相談しよう」と働きかけるのは、ハードルが高いのかもしれません。


前田:どう話していいのかわからない、心の整理がつかないということもありますね。自分のモヤモヤに気づかないでいる人は、どんなことがきっかけで前にすすんでいけるのでしょう?


千田:意識しないでいても、話していくうちに気づくということもありますよね。
何気なく話していたら、そんなつもりはなかったのに、モヤモヤと感じていたことが少しずつ言葉になっていく。
本当はこうだったらいいなと思うのに、実際にはうまくいっていないこと、自分は実は傷ついていたんだ、苦しかったんだと気づいたり。


前田:そうですね。話しながら気づくことって多いかもしれません。
わたしは、icotto(イコット)という難病患者の交流会を催す活動を行なっているんですが、それを始めたのは、まさに話すことの必要性を感じたからなんです。
交流会では、いろいろな話をします。それは楽しい雑談の時間で、その中で皆さん、苦しみやつらい胸の内を話しています。
「話しやすいからついつい話しちゃった!」って晴れやかな顔になったのを見るとうれしくなりますね。
そういう場がないと、ずっと我慢したまま、心まで病んでいく人が増えてしまうと思います。

わたし自身、苦しんでいた時、話を聴いてくれた人がいたことでとても救われた経験があります。
だから、自分の気持ちを伝える場があること、それを受け止めてくれる人がいることの大切さを強く感じているんです。


千田 :聴いてくれる人がいて、その場がある。環境は重要ですね。
話せる人が誰もいなくて、苦しくても一人でじっと耐えているという人は少なくない気がします。

「この自分の苦しみは誰にもわからない」とか、「自分のことは自分で解決するもの」とか、「人に迷惑をかけてはいけない」、そういう自分と他者、公と私、内と外の間に厚い壁があるのかもしれません。
たとえば、働きながら家族の介護をしている人がいたとして、それを職場に言うことで、プライベートなことを持ち込んでいいのだろうかと思ったり。弱さを見せると不利にならないかと考えてしまうかもしれません。
誰にも言えない、言いたくない、言ってはいけない。
そんな気持ちから我慢し続けて、それまで以上に頑張らなければと自分を追い詰めていると、いつか心が壊れてしまわないかと心配です。

前田さんは、話すことで救われたと言うほど、苦しい時があったんですね。
自分の話を聴いてくれる人がいて、支えてくれる人がいると思えた時、どんなふうに気持ちが変わったのですか?


前田:その時はかなりラクになりました。苦しみの原因がなくなったわけでも、生活環境が変わったわけでもないんですが、それでも心の重石が軽くなったように感じました。
それに、「聴いてくれてありがとう!」とうれしい気持ちが自然に口から出てきて、感謝で胸がいっぱいでした。
そういう“いい気持ち“は、生きるエネルギーになりますね。


千田 :わたしも人に話すことで、前に進めた経験があります。
わたしは活動を始める前に父母を続けて見送ったんですが、そのことを人前でお話する機会をいただいたんです。
一つひとつの出来事に意味づけをして話すのですが、この過程で心の中が整理されて、たくさんのことがクリアになりました。
大切な人たちがいなくなってしまって、心に穴が開くってこういうことなんだなって感じましたし、会いたいという気持ちは今も変わらないのですが、いつも見守ってくれていると思えるので穏やかな気持ちになれるんです。
解決できないことに変わりはなくても、それでも穏やかになることはできる。
その可能性は誰にでもあるのだと思っています。


前田:話すには、聴く人が必要。でも聴くことって難しいと感じています。
千田:相手に「自分をわかってくれる人」と感じてもらうことが大切ですね。


前田:話せるってすごく幸せなのかも。当然ですが、聴いてくれる人がいるってことですものね。
わたしは聴く立場になることもあるのでですが、聴くってすごく難しくて、反省することも多いです。


千田: 「聴く」ことって、簡単なようで奥深いと考えています。
例えば、わたしは自分の経験を話すことに対して前向きであっても、「つらいかもしれませんが、聞いてもいいですか?」と気遣っていただくことがあります。
優しいお気持ちからとわかっているので、「いえいえ、つらくはないですよ」と言葉を添えていますが、「苦しい」=「つらい」という、聴き手の先入観って少なからずあると感じています。
だから、難しいというか“奥深い”。


前田:なるほど、奥深いとはぴったりの表現!
千田さんは、苦しんでいる人を支えられる環境づくりにも目を向けて活動されていますよね。“話を聴く“ということを大切にされているようですが…。


千田 :わたしたち(エンドオブライフ・ケア協会/以下:ELC)は、解決が難しい苦しみを抱えた人との関わり方を学び、それぞれの現場で活かしながら、お互いが支えとなるコミュニティを作り、活動しています。
特に「苦しんでいる人は、自分の苦しみを“わかってくれる人”がいるとうれしい」ことを心に留めて、苦しんでいる人の話を聴くことを大切にしています。

苦しんでいる人が目の前にいても、自分は専門家でもないし、その人と同じ状況でもないから、本人の苦しみを理解することができない。どう声をかけていいのかも分からない。
そんなふうに、関わる自分に自信がないとか、話を聴くことは敷居が高いという人がいますね。


前田:わたしも間違えなくその一人です。
わたしが話を聴いたところで、はたして役に立つのか。苦しんでいる状況をちゃんと理解できるのか。
そんな心配がいっぱいでてきます。


千田:自分が苦しんでいる相手を理解するのではなく、苦しんでいる人が自分のことを「わかってくれる人だ」と感じてくれる。それがすべてのはじまりだと考えてみてはいかがでしょう。
相手のことを理解したい気持ちは大切ですが、本当の意味で他人を理解することは、できないのかもしれません。

だから、相手が“わかってくれる人”と感じられる関わり方を知ること。そして、つたなくてもやってみることが、まずは実践するための一歩です。

ELCの活動には、身近な人の力になれる人が増えてほしいと思いがあります。そこに賛同してくださる方々が、草の根的に学びの場をつくって、その思いを全国に広げてくださっています。


前田:苦しんでいる人にどう接していいのか、なんて声をかけていいのか。そういうこと、学校や仕事で教わる機会がないですね。
どうしたらいいのかを知ることができれば、確かに声をかけやすくなりそう。
人との関わりが薄くなっている今、多くの人に知ってもらいたい活動ですね!

千田恵子/2015年有志とともに一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会設立 
業務執行理事を勤める。

前田:誰かの力になることで、自分を大切に思える。この考え、心に響きました。
千田:お互いが支えになる“ホスピスマインド”が広がってほしいですね。


前田:ELCの活動は、医師でありELC代表の小澤竹俊先生がホスピスといういのちが限られた患者さんと関わる現場で、30年近く学んできた経験が根本にあるそうですね。


千田 :小澤が自らが学んだ経験から、患者さんとの関わり方に普遍性を見い出し、誰もができることとしてプログラムを作って、6年前から活動を始めています。

世の中には苦しんでいる人がたくさんいます。
子供にも苦しみはあるし、元気で生活している人だって苦しみを抱えていることもある。でも、自分が苦しんでいるとか、傷ついているとか、実は自分自身が気づいていない。そんなこと、ないでしょうか。
「苦しみ」とは、こうだったらいいな、という「希望」と、でも実際には…という「現実」との開きだと考えると、とても身近で誰もが関わる可能性のあることだと思います。


身近な人の力になりたい、自分自身の苦しみとも向き合いたい。そんなふうに思うことがあったら、わたしたちが主催するイベントに気軽に参加いただけたらうれしいです。


前田 :苦しんでいる人の力になるにはどうしたらいいのか。
迷いますし、自信もありません。
それでも、人を支えることができるのでしょうか?

千田 :もちろんです。
前田さんが話された「聴いてくれてありがとう!とうれしい気持ちが自然に口から出てきて、感謝で胸がいっぱい」という言葉や「icotto」の活動をされていることとか、もうすでに前田さんは実践していらっしゃいますよね。

支えてもらったことへの喜びが、自分も同じように誰かの力になりたいという気持ちに繋がるんじゃないかなと思います。
人と人が支えあう“ホスピスマインド”が広がっていけば、ちょっとした悩みも話しやすい、受け入れてもらいやすい環境ができてくると思います。


前田:たしかに、一方通行では支援者と支援される人という隔たりができてしまい、立場に強弱が生まれてしまいそう。
お互いが支えになる、そういう意識を持つことも大切ですね。
身近に苦しんでいる人がいて、その人に手を差し伸べることができたら、自信に繋がっていくかもしれません。


千田 :小さくても何か一つ、役に立てたと思うことで、文字通り、自分を信じることができる。
それも大切なことだと思います。

ただ、役に立てないってこともあるんですよね。


前田:ありますねー。かえって落ち込むかな。
自分のことを自分で認めることができなくなってしまいますよね。そんな時は、どう立ち直ったらいいのでしょうね。

千田: 支えがあることで穏やかな気持ちになれるかもしれません。
前田:話してラクになった。そこからが始まりなんですね。


千田:前田さんは、自分のことを“それでいいよ”と認めてくれる誰かはいますか。
“誰か”は、人であったり、手で触れられる何かとは限らなくて、私であれば、亡くなった父母です。
どんな自分であっても、「それでいいよ」と認めてくれている、そう感じられるので前に進むことができます。
物理的に話はできないですけど、心の中で私の苦しみを聴いてくれて、私のことを「わかってくれる人」と思える支えの存在です。


前田:そう言われると、わたしのことを認めてくれている人の顔が浮かんできました。支えてくれている人がいるのは、たしかに心強く思えます。

ELCのセミナーに参加させてもらいましたが、とても楽しかったです。
初心者向けに行われた企画でしたが、話を聴くことの大切さや、話の聴き方も知ることができたし、わずかな時間でいろいろな気づきがありました。

「この苦しい気持ちは誰にもわかってもらえない」と一人で悩んでいる時に、ほんの少し勇気を出して声を出してみたら、否定せずに聴いてくれた。
「この人ならわかってくれる」と感じて打ち明けてみたら、少し気持ちがラクになった。
そんなふうに、苦しみを打ち明けて心が軽くなったとしてもそれで完結ということではなく、むしろそこからが始まりなんだなと思えました。
話を聴いている人が相手の気持ちを理解するために聴くのではなくて、悩んでいる本人が「私の気持ちをわかってくれた」と感じられることが大切で、そのために話を聴くのですね。

前田理恵/難病患者のコミュニケーション支援と集いの場「icotto」主催。
当サイトUniqueの運営を行う一般社団法人Unique代表


千田 :対象者に合わせて、2日間の講座や、2時間程度のイベントなど、セミナーにはいろいろ種類があるのですが、いずれも様々な方が参加してくださっています。
医療や介護の専門職である必要はないですし、特定の立場の誰かから誰かへ一方的に提供されるものでもないと思うのです。
苦しむ人の力になりたいと願うすべての人にできることがある。そのことに気付いて行動する人が増えることを願っています。


前田:悩んでいる本人が“話す“ことを通して、誰かに自分の苦しみをわかってもらえたと感じたら、気持ちがラクになるだろうなと思います。
でもそれだけではなく、話を聴くことで自分自身も穏やかな気持ちになれる可能性があるという考えには、ハッとさせられました。
セミナーには、どんな方が参加されているのですか?


千田:参加される皆さんは、様々な分野の方々です。
例えば、働きながら家族の介護をしている方、学校に通えない子供と向き合っている方、仕事と育児の両立をしている方など、周囲からちょっとしたサポートや温かい声をかけていただいたことがうれしくて、自分も必要とする人がいればお役に立ちたいという考えの方々も多いです。


前田:難病の患者会でも、そうした考えがあることを伝えたいと思っています。
患者さんは、日々、苦しい思いをしながら過ごしています。心の拠り所や安らぎを求めているけれど、それだけでなく社会の一員でありたいという気持ちもあるんです。
いろんな人に支えてもらっているからこそ、恩返しの気持ちで人の役に立ちたいと思うのでしょう。
ELCの“ホスピスマインド”の考えは、とても魅力的ですね。


千田 :解決できない苦しみがあっても、支えがあることで穏やかな気持ちになれるかもしれません。
気持ちが穏やかになれたら、ものの見方も違ってくるし、苦しい中にある喜びや幸せに気づけるようになれると、気持ちもラクになれるかもしれませんね。

支える、支えてもらう、入り口はどちらからでもいいと思います。
自分が今できる一歩を、踏み出せるといいですね。


前田:ELCの活動は本当に奥が深いので、語り尽くせない、伝えきれないもどかしさがあります。
次の機会にぜひ「いのちの授業」について、お伺いさせてください。


千田:学校や地域コミュニティで行っている「折れない心を育てる いのちの授業」ですね。

小中学校でお話すると、子どもたちが、今まさに感じている心の動きが表情から伝わってきます。
苦しみも大小様々に抱えていることでしょう。
そんな子どもたちが、支えの存在に気づいたときのいきいきとした表情から、わたし自身が力をいただいています。
今を生きる子供たちとの関わりをもっと増やしていきたいと思っています。


前田:また、次の機会を楽しみにしていますね!


★エンドオブライフ・ケア協会HP

https://endoflifecare.or.jp/

★オンラインイベント情報

https://endoflifecare.or.jp/posts/show/8832

★Facebook

https://www.facebook.com/endoflifecare.or.jp/


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知らないと損する。オススメYouTube「医療費節約チャンネル」-障害者手帳-

障害のある人に交付される手帳「障害者手帳」の存在は、多くの人に認知されています。
でも、その役割りや受けられる福祉サービスについて、しっかりと理解しているという人は少ないようです。

福祉、障がい、医療…いろんな制度が混ざり合って、すごく複雑で難しそう。そんなイメージありますよね。

必要なところをわかりやすく、そして手早く理解できる方法はないかな…というときにおススメしたいYouTubeチャンネルをご紹介します。

配信されるりゅうさんの「医療費節約チャンネル」では、医療に関わる制度利用のお得な点がわかりやすく解説されています。
特徴は、テーマにそって的確で、余計なことを省いたシンプルな構成。
だから、素早く制度が理解でき、生活に活かせるリアルな情報を得ることができるんです!
Uniqueでは、これはオススメというテーマをピックアップしてご紹介します!


【障がい者手帳】

 

【手帳で節約】障害者手帳のメリット(割引対象まとめ7選) – YouTube

障がい者手帳を持っている方に対しての割引対象を7つのカテゴリーにわけて説明しています。

・医療費

・税金

・スマホの通信代

・電車、バス料金

・高速道路の料金

・施設の入場料

・NHKの受信料


なんとなく知っている、あいまいになっている、そんなところがりゅうチャンネルでクリアになります!

 

https://www.youtube.com/watch?v=aQDYX9LsMWA

 

【体験談付き】身体障害者手帳のメリット・デメリットをわかりやすく解説!

身体障害者手帳の10名に関する体験談から、メリットやデメリットをわかりやすく解説。

身体障害と言っても、障がいの程度や状態は人によりさまざまです。障害者手帳を取得する10人のケースから、受けることのできるサービスの違いを理解することができます。
生活者の立場になったわかりやすい解説が◎

 

https://www.youtube.com/watch?v=bL2JDrHjUb0&t=709s
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5/29 Unique fain vol.2 イベントレポート-第2部 ライフスタイルにあった車いす選び

5/29(日)に行われた報告、患者と支援者をつなぐスピーチ会第2部のイベントレポートです。
「ライフスタイルにあった車いす選び」をテーマに、異なったフィールドで活躍される3名の対談。
さらに、介護保険適用となった車いすメーカー・ペルモビール社の製品アクトモアM1の詳細をご報告します。
参加された方から事前にいただいた質問への回答を中心に、問い合わせ先などの情報も掲載しています。


第2部/対談
「ライフスタイルにあった車いすを選ぶ」


【Profile】

鈴木諭-Suuzki Satoshi 
ALSの診断を受けて3年半。現在、ALS協会栃木県支部で副支部長、「障がい者 高齢者福祉イノベーション リビングラボ」アドバイザー。難病、障がい者支援活動のファシリテーター。
現在、介護保険を使いアクトモアM1を利用中。

★障がい者 高齢者福祉イノベーション リビングラボ

https://www.facebook.com/groups/1017748789160944/

杉山葵-Aoi Sugiyama
バリアフリーマップを全国、全世界に広げる活動を行う一般社団法人WheeLogに所属。団体活動の推進に力を注ぐ理学療法士。

★WheeLog:WheeLoghttps://wheelog.com/hp/!

流俊介-Nagare Syunsuke
スウェーデンに本社を置く車いすメーカー・ペルモビール株式会社にて、安心、快適で外出したくなる電動車いすやパワーアシスト、クッションを広める活動を推進。

★ペルモビール株式会社
https://permobilkk.jp/


【スピーチ】

※簡略してお伝えします。

ライフスタイルにあわせた車いす選びのポイント。

利用者の身体や体格、体力に合ったものを選ぶ

環境・利用状況にふさわしいものを選ぶ

さらに大切なことは…。

利用者自身が望む生活スタイルにそったものを選ぶ。

それでは、

利用者の生活を豊かにするような車いす選びって
どういうものなんだろう?
利用者だけでなく関わる方もご一緒に考えていきましょう!



Q.初めて車いすを選ぶときは誰に相談して、どうやって選んだらいいのでしょう?

A.鈴木さん

私の場合は、進行性の病気を患っているので、徐々に長く歩くことが難しくなってきていると感じたあたりで、車いすを利用することを考えるようになりました。

まだ、杖をついて歩けていたんですが、外出したときにトイレに行くのに時間がかかってしまい、これでは安心して出かけられないと思ったことが、車いすを借りるきっかけになりました。

車いすのことを最初に相談したのは妻です。

家族の生活にも影響するので、やはり家族と話しあい、理解してもらうことも必要だと思います。

妻と話をして、介助する人の負担をかけないように、折りたたみができて軽量なタイプを選ぶことにしました。


Q.車いすを乗り換えるポイントは?※介護保険を利用

A.鈴木さん ※3回乗り換え

※鈴木さん提供

体の状態にあわせて乗り換えることで、生活スタイルを維持できるようにしています。

1番目・杖を使い歩くこともできたので、折りたたみのできる軽量の電動車いすを購入。

2番目・車いすに乗っている時間が長くなり、安定性を求めてwillに。

3番目・体幹が弱くなった、長時間乗っていても疲れないようにアクトモアM1に。


Q.レンタルまでの手続き方法がわからない。周囲にきいても意外と知っている人がいないので教えてもらいたい。

A.流さん

介護保険を利用する場合は、介護認定を受けていることが前提条件になります。電動車いすの場合は要介護2以上の方が原則対象となっています。
この制度を利用して車いすをレンタルする場合、まずは、居宅支援介護事業者(ケアマネージャー)に相談し、ケアマネージャーがケアプランを作成、そしてケアプランにそって車いすを取り扱う事業所と契約を結ぶというのが基本のながれとなります。


Q.はじめて車いすを選ぶとき、気を付けなければならないことは?

A.杉山さん

たくさんの種類の中から選ぶことになるので迷う人がほとんどです。そんな時、「最適解」を目指すのではなく、「間違えないこと」が大切です。
では「間違えない」ポイントとは…

①座位保持分類/利用者の座る能力にあったものを選ぶ

②「①」によりクッションや車いすを選別 ※車いすとクッションはセットで考えるほうがよい


Q.こんなふうに暮らしていきたい、といった生活スタイルへの希望は車いすを選ぶときに必要ですか?

A.鈴木さん

自分がどんな生活を送りたいか、これはすごく大切です。
もともと外出するのが好きで、車いす生活になってもできる限り外にでていくことを楽しみたいし、それをあきらめたくないという思いがありました。
だから、長時間外にいても体がラクでいられることを意識した車いす選びをしています。


Q.車いすユーザーにとって、外出時に利点となる機能は?

A.流さん ※参考事例:アクトモアM1、紹介記事にて映像による確認ができます。

ご利用者の声に応えて、不自由な点を軽減させています。

①路面からの振動(ガタガタした路面や段差があるなど平淡な状態でない道の走行)を軽減したい。→サスペンションと車輪が独立して動くことで振動を吸収。

②下り坂の角度により、下りる時は前のめりになって怖い。→電動ティルト

③安定性や長時間乗っていると辛くなる→背中(バックサポート機能)、頭(ヘッドサポート機能)、おしりのズレを防ぐ工夫とクッションの性能をあげる。

④狭い場所で動きずらい。→幅60㎝ほど。周囲50㎝ほどで小回りが可能。


Q.利用者さんが電動車いすでの外出時に、介助者として同行する際、気をつけなければならない点を教えてください。
(介護職の方からの質問)

A.杉山さん

気をつける3つの点。

「対象面」→周囲の様子を気にするあまり、利用者の体調変化に気付かないことも。体温調節ができない人が多いので注意が必要。気づくには利用者の表情をチェックすることが大切。

「移動面」→利用者が操作をどのくらいできるのかを知っておくことで先回りができる。バック、方向転換に注意し、後ろを見にくい人には「自転車が来る」など、後ろの状況を教えるように気を配る。
下り坂を避けるなど、通る道をあらかじめきめておくほうがトラブル回避につなげることができる。

「コミュニケーション」→利用者の身になって考えることが大切。それには、生活習慣などや好みなど、利用者のことを知るために、コミュニケーションをしっかりとっておくこと。


Q.寝ている時間が多かった利用者さんが、車いすに乗る時間を増やすことを目標にリハビリを続けていますが、調子が悪かったりすると落ち込むことも多くあります。そんな時、どうやって励ましたり、声掛けをしたらよいのでしょう?(介護職の方からの質問)

A.鈴木さん

言葉で伝えるのってなかなか難しいですよね。
例えば、励ます言葉に迷うなら「外の景色でも見に行きませんか?」と誘ってみるのはどうでしょう。外に行くのが難しいようなら窓を開けて外を眺めたり、映像で気持ちのいい風景を見たり。
見ているものや自分のいる空間が明るくて気持ちがいいと、心も晴れてくる。落ち込んだ気持ちをリセットできるきっかけになるかもしれません。

介護保険適用「アクトモアM1」について

■アクトモアM1について

スウェーデンの車いすメーカーであるペルモビール株式会社と福祉用具を取り扱う株式会社フロンティアの共同開発製品。

介護保険適用。5,000単位/月でのレンタル利用が可能。

(例)要介護2の場合は、自己負担1割・5,000円/月


★紹介動画:株式会社フロンティア(5分強)
https://www.frontier-ph.com/main.cgi?c=2/1/1/2/7:8

■アクトモアM1の取り扱いについて

アクトモアM1は、株式会社フロンティアの取り扱い製品となります。そのため、ケアマネージャーに相談後、アクトモアM1が利用可能なケアプランになった場合、フロンティアとの契約によりレンタルが実現します。

フロンティアは全国展開していますが、最寄りに事業所がない場合もあります。下記の事業所一覧から一番近い事業所に連絡し、相談してみてください。

・株式会社フロンティアHP

frontier-ph.com

・アクトモアM1・取扱い営業所
https://www.frontier-ph.com/main.cgi?c=5/3


■アクトモアM1の特徴

電動ティルト/衝撃吸収に優れた車体構造



しなやかな段差の乗り換え/小回り、回転のしやすさ


ヘッドサポートの細かい調整が可能


■その他質問 ※流さん回答

Q.介護保険適用は、アクトモアM1だけですか? それ以外の車いすの予定は?

A.現在、検討中です。できるかぎり利用者様の声に応えていきたいと思っています。

Q.呼吸器を使用していますが、アクトモアM1には呼吸器をのせることができますか?

A.現時点では、アクトモアM1には専用の台座のご用意はありません。今後は対応できるように進めていく計画です。

Q.ジョイスティックの操作がうまくできるか不安です。

A.状態にもよりますが、オプションでジョイスティックのタイプを変更することができます。自分のやりやすさや手の動かしにくさにあわせて変えることも可能なので、お試しになってみてください。

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車いすでもあきらめない世界をつくる。WheeLog 代表・織田友理子さん


最近、「バリアフリー」の取り組みが社会の中に浸透してきたと感じることが増えてきました。車いす用トイレ、エレベーターの設置や段差をなくす等のハード面だけでなく、“多様な人が社会に参加する上での障壁(バリア)をなくす“といった多面的なバリアフリー化の動きも広がっています。
その背景には、障がいがあり、不自由さと常に向き合う人たちの活動が、大きな推進力になっているのだと思います。

「車いすでもあきらめない世界をつくる」のスローガンを掲げて活動をする、一般社団法人WheeLog 代表の織田友理子さんもバリアフリー社会の担い手といえる方です。
車いすでも気軽に外出を楽しめるようにバリアフリーマップのアプリをつくり、その活動を日本だけでなく世界に広げています。

WheeLogのそうした活動は多くのメディアにとりあげられ、織田さんは常に注目される存在です。世の中に新しい可能性を広げている活動への期待とともに、織田さんの強い心の持ち方に多くの人が魅了されています。
あきらめないこと。
人生を楽しむこと。
後悔しない生き方のバイブルになる、織田さんの思いを伝えさせていただきます。


interview

障がいがあるからこそ、情報が必要。もっと楽しく、自由に生きるために情報を活用してほしいと思います。

-インタビュー当日、初めてお会いした織田さんは大きな瞳が愛らしく、可憐な雰囲気の方でした。

それでも、活動への思いを語るときは、華奢で繊細な印象からは想像できないほど一言、一言が重低音のサウンドのようにズシリと心に響いてきます。



織田さん:車いす生活になった当初、外出することをあきらめることが多くなり、自然と1日のほとんどを家で過ごすようになっていました。

そんな時、家族で海に行く話が出たんですね。
海なんて、車いすで行ってもしょうがない、楽しめないし、面倒をかけるばかりと思っていたら、海に入れる車いすのようなものがあり、それを借りることができるってことを知ったんです。
実際、海に行き、その車いすを使って久しぶりにアウトドアを楽しんで、その時に情報があれば車いすユーザーでももっと楽しめる、あきらめなくてもいいんじゃないか、ということに気づきました。

それから、車いすで外出するときに必要な情報を発信することを始めました。自分で体験したことをまず伝えていこうと思い、移動や外出先でチェックしたバリアフリー状況をYouTubeで配信していき、今でも続けています。

障がいがあるからこそ情報は必要で、そして情報を活用することで、もっと自由に行動の場を広げていくことができると思うのです。
生活の中に楽しみや喜びが増えていき、それは生きていく上でとても大切なことなんですよね。


-それから、WheeLogを立ち上げて、本格的に誰もが使えるバリアフリーマップのアプリをつくる活動を始めたんですね。
本当に素晴らしい発想だと思います。
その発想力だけでなく、“ユーザーが育てて広めていく“という仕組みがつくられているところにも、これを広めていこう!という熱い思いが感じられます。

健常者も車いすで移動。車いすユーザーの目線が体験できる、
街歩きイベントの様子。
街歩きイベントの予定は、WheeLogホームページをチェック!


織田さん:そうなんです。役に立つものをつくっても、知ってもらい、活用してもらわないと意味がないんです。
だから、このアプリを広めていくことは最重要課題。それがすごく大変です!
SNSが普及しているお陰で、WheeLog!の情報を拡散することはできるのですが、それだけでは必要性が十分に伝わりません。やはり実際に体験してもらうことで私たちの活動をより身近に感じ、協力者になってもらいたい。
そんな思いで車いすでの街歩きイベントを催すようになりました。

出会ったご縁を大切に、細くてもずっと繋がっていると、また新しい人の繋がりが生まれます。

-WheeLog!が多くの人に活用されているのは、活動を支えている人の力も大きいと感じました。
織田さんの周りには、サポートをしてくれるたくさんの人がいますよね。


織田さん:WheeLog!は地道な活動の積み重ねで広がっています。それは協力してくれている人たちのお陰でなんです。本当に感謝しかありません。
WheeLogの活動を始めて、人の繋がりの大切さを身に染みて感じています。だから、お会いした方とは、そのご縁を大切にしたくて、細い繋がりでもいい、繋がっていることが大切と思っています。
考えがそぐわずに、付き合いが続かないということもあるんですが、それはその時で、もしかしたら時間がたてば変わるかもしれない。離れてしまっている方でも、また繋がる機会があるかもしれません。

気が付くと、新しい出会いも増えています。人が人を呼び、その輪が広がっているのがとってもうれしいですね。

できないと思うとそれでおしまい。先がなくなるから「できる」「やってみる」としか思わないようにしています。

-講演活動やイベントを主催、または参加するなど、織田さんのエネルギッシュな活動には驚きさえ感じます。

病気になると気力が萎えてしまい、いろいろなことをあきらめてしまう人もいます。織田さんの行動力に繋がる思いとはなんでしょう?


織田さん:自分でできないと決めてしまうと、そこでストップ。それ以上のことはできなくなってしまう。
だから、できないと思わないようにしているんです。
基本は「できる」「やってみる」。
結果ダメなら、納得がいくけれど、何もしないのに最初からあきらめてしまうのはすごくもったいない。
車いすでも、障がいがあったとしても、その生き方や楽しみ方は自分次第なのだと思います。
情報は多ければ多いほうが選択肢が広がりますが、その選択をするかしないかはやっぱり自分次第。
自分らしく生きることをあきらめないでほしいと思います。

おしつけ、自己満足になっていないか、自問自答から答えが見えてくる。

- 常に挑戦を続けている織田さんですが、判断、決断をしなければならないことも多いと思います。不安や迷いが出る時は、どのようにして前に進まれているのでしょう?


織田さん:不安になったり、いろいろ考えることはしょっちゅうあります。
自分の気持ちのおしつけになっていないか、自己満足ではないか。目的から外れていないか。
自問自答繰り返しです。でもそれが大切で、そこで軌道修正したり、見直したりしながら進むようにしています。

快適なバリアフリー環境は、障がい者も健常者も区別なく、みんなが一緒になってつくるもの。

-WheeLog!のユーザーは現在30,000人。
WheeLog!の支持者やマップを更新するなど、参加しているユーザーは車いすの方だけではないようですね。


織田さん:そうなんです。
車いすユーザーじゃない方もWheeLog!でマップを更新したり、書き込み情報をくれたり、またイベントに参加するなど、応援してくれる人が増えています。
これはとてもうれしいことで、バリアフリーをさらに広めていくには必要なことなんです。
バリアフリーの考えが浸透しているといっても、まだまだ不便な面がたくさんあります。社会をもっとよりよく変えていくには、障がい者も健常者も区別する必要はなく、すべての人に思いを共有してもらいたい。
車いすユーザーでない人の力も必要なんです。WheeLog!を理解してもらうためにも、そうした呼び掛けをこれからもいろいろな方法で行っていきたいと思っています。

人の役に立つこと、喜びが生まれること。人に求められることで、強くなれるのだと思います。

年齢も幅広く、病気、事故など障がいをもった原因も様々な方が集まる
街歩きイベントに参加すると、視野が思い切り広がります。

-これから織田さんが取り組みたいこと、挑戦したいことを教えてください。
それと、心が折れない秘訣があれば、参考にさせていただきたいです!


織田さん:これまで多くのことを経験し、自分一人で抱え込まずに、人に頼ることも必要だということを学びました。
自分だけではやれることが限られてしまうし、思いを共有する人が誰もいないと、これまで続けてきたことが止まってしまう可能性だってあります。
人に頼って、任せるところはお願いして、どんなことがあっても変わらずに動いていけるのが理想。これからもっと広い視野で、しっかりとした仕組みや組織作りを行っていく必要があると感じています。


心が折れない秘訣…。秘訣というほどのすごい策は持ってないですね(笑)
進行性の病気なので、やっぱりシンドイ時はたくさんあるし、体だけでなく、心が折れそうになることもあります。それでも続けていけるのは、たくさんの人の役に立てる、障がいがあってもあきらめなくていい世界をつくりたいという思いがあるから。自分だけのためだったら、もしかしたら投げ出しているかもしれません。
たくさんの人の喜びに繋がっていくこと、求められているということが、私のあきらめない原動力です。


-どうしたら織田さんのように強くなれるのだろう。
心が折れることなく前に進めるのだろう。

お話を伺っていくうちに、織田さんに一番聞きたかったことの答えが見えてきました。

自分だけのためなら、投げ出しているかも

人は人と支えあって生かされて、求められることで強くなれる。それはとってもやさしい強さです。
自分を大切に思い、求めてくれる人がいることを忘れないでいれば、自然と逞しく前に進めるのかもしれませんね。

織田さん、ありがとうございました。
ドバイ万博でのご活躍と土産話を配信していただけるのを楽しみにしています。


◆information
織田友理子さん/ODA YURIKO
大学生の時に遠位型ミオパチーを発症。車いす生活となり、2008年に遠位型ミオパチーの患者会「PADM(パダム)」を発足。代表として同病者の支えとなる活動を開始。
2014年にYouTubeでバリアフリーの情報提供チャンネル「車椅子ウォーカー」を配信。
2018年にはバリアフリーマップ「WheeLog!」を作り、一般社団法人WheeLogを設立。

国土交通省とのWheeLog!を使った共同実証実験や自治体や地元団体などのバリアフリー観光推進協議に総務省からの派遣で参加するなど、国、自治体と連携をとり、幅広くバリアフリー社会づくりに貢献。
海外にも活動を広げ、2019年ポルトガルにて開催された国連後援のWorld Summit Award(WSA)にて、世界一となるWSAグローバルチャンピオンを受賞。
2021年ドバイで開催中のドバイ万博において、Expo Liveのパビリオンに登壇予定。


・一般社団法人WheeLogホームページ

https://wheelog.com/hp/

・アプリのダウンロードはコチラ

https://wheelog.com/hp/ap

Unique/Writing:Maeda Rie

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イベント

5/29 Unique fain vol.2 イベントレポート-第1部 患者スピーチ

5/29(日)に行われた報告、患者と支援者をつなぐスピーチ会第1部・狐崎友希さん(多発性硬化症)の患者スピーチをご報告します。
参加された方から事前にいただいた質問への回答を中心に、参考にしていただきたい情報の提供(問い合わせ先・連絡先などをふくむ)を掲載します。

イベントに出演された狐崎友希さん、池田竜太さんの活動を、多くの方が応援していただけることを願います。


第1部:患者スピーチ
狐崎友希さん(多発性硬化症患者)

【Profile】

2014年に、下半身全体にしびれを感じて神経内科を受診。多発性硬化症の診断を受ける。それまで闘ってきた摂食障害を克服した矢先の難病診断。
2015年に多発性硬化症・視神経脊髄の患者会「「M-N Smile」を立ち上げ代表を務める。現在、会員数560名超。
患者会で出会った同病のパートナー「相方さん」こと池田竜太さんとともに、患者支援と難病の啓発活動を推進。
2022年からヨガインストラクターとして活動をはじめ、「心や体に病気を持つ人も、持たない人も、一緒にヨガの時間を過ごし、みんなで笑顔になろう!」と疾患の種類も有無も関係なく、すべての人が楽しめるヨガ『エニワンヨガ』教室をオンラインでオープン。

●ブログ『多発席硬化症“こんちゃん”こと「友希」の笑顔日記https://profile.ameba.jp/ameba/lanilanilani2006/
●Twitter→https://twitter.com/laniyuki
●youtube→https://www.youtube.com/channel/UCYo3SvT_-NA964no4MlwAqw
●facebook→https://www.facebook.com/yuuki.kitsunezaki 


【スピーチ】

「難病でも、毎日を笑顔で過ごすためにできる8つのこと

1  思い込みを捨てる。

2  人と比べない。過去の自分と比べない。

3   ありがとう、ごめんなさい、大好き!は思った時、その場で伝える。

4   とにかく笑う!

5  自分から行動する。

6  幸せを感じる力を身につける。

7   病気だからこそ出来る事を見つける。

8  自分で限界を決めない。


■Q&A ※友希さん回答

Q.この病気になって良かったと思ったことはありますか?
あればどんな時ですか?

A.聞いちゃいますか?もちろん、彼と出逢えた事です(笑)

というのは置いておき、病気になってから沢山の素敵な人と出会えた事です。主治医も、医療関係者の方、沢山の同病仲間、違う病気の仲間、支援者の方、前の職場、今の職場の方、エニワンヨガの参加者…、病気になっていなかったら出会えていなかった方ばかりです。

この方達なしで今の私はいません。

また、自分が病気になっていなければ、沢山の病気の方がいて、沢山の苦労を抱えながらも頑張って生きている事、杖を使う事の不便さ、車椅子の人の不便さ、恥ずかしながら知りませんでした。

4年前くらいに受けたテレビのインタビューでは「難病になって良かった!とは言いませんが、難病になったからこそ、できる事をやりたいです」と答えていましたが、今では沢山の苦労はありますが、「難病になって良かった」と思っています。


Q.落ち込んだ時はどうしていますか?
気分転換の方法はなんですか?

Q.多発性硬化症による再発や寛解の症状変動に対し、効果を感じた対応があれば個人の経験で良いので知りたいです。

Q.薬以外に何か対処方法をお持ちでしょうか?


A.3つの質問への答えは、どれもヨガです!

ヨガを始めた事で、自分自身と向き合う時間ができました。
体重が減った事もですが、何より心の持ち方が変わったことが良かったです。

本当に良いと思っていなければ、ヨガは自分の気分転換、趣味で終わっていたと思います。

心から良いと思えたからこそ、沢山のお金と時間をかけて資格を取り、1年半の準備時間をかけてエニワンヨガを立ち上げました。


Q.なにを信じていますか?

A.自分です!(笑)


Q.製薬会社に対して、何かご希望はございますか?
対応してくれる窓口や,こうした対応をしてほしいということがあれば教えてください。

A.これは患者を代表して言わせていただきます。
完治の薬!が欲しいです。再発予防の薬ももちろん嬉しいですが、やはり完治したい!というのが患者の願いです。

現実的なところでいうと、一包化を知らない方も多く、薬を毎回1錠1錠、取り出している方がいるので、
「一包化できますよ!」
「主治医に言えばいいんですよ」とか教えてくれたり、また、副作用について聞きたい時や、市販薬を飲んでも大丈夫なのかを確認したい時、薬局や主治医に気楽に聞けない人もいると思うので、いつでも気楽に聞く事ができる窓口などあったら嬉しいです。


Q.思いどおりにいかずくやしかったことは?
うまくいかなかった原因は?

A.発症してからやっとの思いで正社員になり、定年まで働くと思っていた職場を、再発で退職せざるを得なかった時です。

原因は、無理して残業しまくっていた事と、職場のストレスに我慢していた事です。


Q.具合が悪くなった時に周囲にどう伝えていますか?

A.職場には、あらかじめ、疲労やストレスで再発しやすい事、人より疲れやすい事、万が一再発した時には入院して治療が必要になる。それはいつ来るか分からないという事を伝えています。
体調が悪くなってしまった時、周りの方になるべく迷惑をかけないよう、休むことになってしまった時は、仕事を変わってもらえる体制を整えています。


Q.体調と仕事をどのように両立させているか?
難しいことがあった場合、どのように対処されているかをお聞きしたいです。

A.私は両立するためにテレワークを選びました。お給料は下がりましたが、往復の通勤時間2時間弱がなくなった事、通勤電車のストレスがなくなった事は大きなメリットです。
仕事が始まるギリギリまで寝ていても大丈夫だし、終わったらすぐ横になれます。

体調悪いなと感じた時は、我慢せずに早めに上司に伝えて休ませてもらっています。


Q.社会との繋がりについてどう思われますか? 繋がることの必要性とどうやったら繋がっていられるかを伺いたいです。

A.社会と繋がる事はとても大事なことだと思っています。自分が前の会社を退職した時、社会から取り残された感覚が強くありました。

社会と繋がっている人の方が長生きで、健康を保てるという結果もあるようです。また幸福感も高まるそうです。

どうやったら繋がっていられるかは、自分で動く!しかありません。外に出るという意味ではなく、ネットで自分のやりたい仕事や趣味を探してアプローチしてみる。
また、家族やヘルパーさんに「これがしたい! やってみたい!から協力して欲しい!」と伝えてみるのも第一歩だと思います。


Q.就労の際に多発性硬化症であると告げるタイミングはいつがいいでしょうか?

A.これは難しいです。ケースバイケースだと思うので…。
私は隠すのが苦手なので、最初からオープンにできる方法で仕事に就きました。
1回目は、障害者手帳を持っていなかったので、障害者手帳を持っていない人だけが使える難病患者助成金制度を使い、2回目は障害者雇用でした。

最初からオープンにしたい方はこの2つをおススメします。

タイミングも大事ですが、どうやって伝えるかがもっと大事だと思います。

マイナスな事だけを書いても絶対に受かりません。こういうふうにサポートさえしてもらえれば働けます!

通院、入院が必要な時もありますが、その分それ以外の時はこれだけの事をやります!

病気があるからこそ、自分にはこういう事ができます!
などなど。

会社に病気があってもこの人なら大丈夫、と思ってもらえる事が大事だと思います。


Q.良い人間関係を築くために意識していることは?

A.笑顔!そして、相手の時間を大切にする。相手の状況を想像する。自分の考えを押し付けない。ありがとう、ごめんなさい、大好きをきちんと伝えることです。


Q.同じ体勢で長時間仕事している時のメンテナンス方法を教えてください。      

A.1時間に1回はPCから目を離して、ストレッチをしています。ヨガの太陽礼拝という動きを1回でもやるとスッキリするので、疲れた時ほど身体を動かしてスッキリさせています。


Q.モチベーションの保ち方について伺いたいです。
Q.前向きでいつづけるコツは?    

A.イベントでスピーチした8つの事を実践する事です!


Q.気分が沈みがちな時ってありますか?
そんな時はどうされていますか? 

 A.落ち込む時や気分が乗らない時、悪い事を考えてしまう時も当然あります。
生理の時や痺れが天候によって強まったりした時などは、無理に前向きになろうとせず、こんな日もあるよねっと客観視する。
生理だから仕方ない、天気が悪いから仕方ない!と考えるのをやめて早く寝たり、自分のお気に入りのカフェで好きなサンドとコーヒーを頼み、好きな音楽を聴いてボーっとする。
あとは、私は料理が好きなので、自分が好きなものを無心に作ったりしています。


Q.コロナ禍でリアルに会うことが難しくなり、苦労したことはないですか?            

A.会いたい友達に会えなかったり、自分や相方さんの家族に会えないのは辛かったのですが、会えないからこそメッセージやプレゼントを送ったり(相方さんの祖父母には、相方さんの写真集や、カレンダーを作ってプレゼントしました!w)、電話で話す事を大切にしました。
また、オンラインが広まったお陰で、遠くに住んでいても顔を見ることができるようになったのは良かったと思います。


Q.お仕事はどんなペースで続けていますか?    

A.基本週5日6時間ですが、1.2時間の残業がある事もしばしばあります。でも、疲れている時には無理をしません。


Q.難病と診断された患者さんやそのご家族が、まず知るべき「社会参加・就労」についての制度や支援団体等があれば、教えていただきたいです。         

A.まずは厚生労働省の難病対策のこのHPですかね。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nanbyou/index.html 

あとはお住まいの地域の保健所、福祉事務所で難病に関係する制度について聞いてみると、色々教えてくれると思います。


Q.患者会の運営にあたって気をつけていることや、やりがいを感じる時は?     

A.とにかく気を付けているのは、怪しい勧誘目的の人が入ってこないかということです。
難病という弱みにつけこんで、この水を飲めば治るとか、このサプリで治るとか、楽して稼げるとか…。悲しいですが、そういう人が世の中にはいるので、メンバーが巻き込まれないように気を付けています。
あとは男女問題。相手が嫌がっているのにしつこく付きまとったりする方には退会してもらう事もあります。もちろん、自然にカップルが生まれるのは大歓迎です!
やりがいは、「M-N Smileがあって良かった」と言ってもらえる事。みんなの笑顔を見ることができた時です!


Q.今まで仕事をしていましたが、再発により運動機能の障害がでて車椅子と杖での生活になりました。以前の仕事はできませんが、仕事をしたいです。
1人で外に出て行けないので、どういうふうに仕事を探していけばいいのか悩みます。  

A.私は通勤がキツくなった時、とにかくテレワークの仕事を探しました。「障害者、難病、テレワーク、在宅ワーク」など、いろんなキーワードで検索しました。
今は家から出なくても仕事は探せます。面接もオンラインで対応している会社があると思います。家から出ないでできる仕事も沢山あります。
その方が持っている知識や資格、今までの経験によって何ができるかが変わってくるので、自分ができそうな仕事は何か、と考えてみる。オンラインで相談に乗ってくれるところもあるので、上手く利用してみてください。



■多発性硬化症と視神経脊髄炎の患者会『M-N Smile』

『M…みんなで N…なかよく Smile…笑って過ごそう!』の思いを込めた「M-N Smile」
現在、登録者数は571名(2022.5末現在)。
交流会や治療に関する情報提供を行っています。
会員登録は下記(facebook)より。
※多発性硬化症と視神経脊髄炎の人限定(疑いの人も含む)です。
https://www.facebook.com/groups/MNSmile


■エニワンヨガ

年齢や性別、病気や障がいのあるなしを問わず、誰もが自宅でヨガを楽しむことができるオンラインのヨガレッスン。
https://eniwanyoga.hp.peraichi.com/


■狐崎友希さんのメディア出演

Reme
https://reme-nomal.com/article/125270/

●埼玉県難病相談支援センター 医療講演会
多発性硬化症・視神経脊髄炎 オンライン医療講演会&交流会登壇

●RDD適職2021                                                               https://youtu.be/aGce0Wn5-7U

●バイオジェン「World MS Day 2021」『多発性硬化症マイバッグ デザインプロジェクト』にクリエイティブディレクションとして参加
https://www.ms-supportnavi.com/ja-jp/home/efforts/effort01/2021.html 

Medical DOC インタビュー掲載(Yaooニュースに取り上げられました)                      https://news.yahoo.co.jp/articles/cc22dc9e73acbd13f16665826a6dc4b4823dbc55?page=3

●バイオジェン 多発性硬化症Web市民公開講座 パネルディスカッション参加
https://www.ms-supportnavi.com/ja-jp/home/efforts/public-lecture.html

その他企業の社内研修に登壇するなど多数。


■池田竜太さんのメディア出演

GENOVA

〜実録・闘病体験記〜 2つの難病、多発性硬化症と潰瘍性大腸炎を抱えながら強く生きる | Medical DOC

Reme

【体験談】多発性硬化症で自暴自棄だった過去。絶望の世界を180度変えてくれた存在 | 心のオンライン相談ならReme(リミー) (reme-nomal.com)

神奈川県 福祉子どもみらい局

難病学生の就職活動体験記 ~多発性硬化症をオープンにして内定を得るまで~|あなたのみらいを見つけに行こう! (pref.kanagawa.jp)

就労支援ネットワークONE

ONE Voiceインタビュー池田竜太さん多発性硬化症|ryuji_nakagane|note