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365介護日和 体験談募集!

病気や事故で身体に重い障害を持つ方の、重度訪問介護に関する体験談を募集!

昨年、一社)Uniqueでは介護保険サービスをテーマにした「365日介護日和」を発行しました。冊子を手にした方から様々な感想、要望などをいただく中、「重度障害者のケアにさらに踏み込んだリアル情報がほしい」という支援者からのご要望が多くありました。

当事者からも「重度訪問介護の実態も知ってほしい」という強い思いを伝えていただきました。

そんな声に応えていくために、WEBサイトUniqueで、重度障害者ケアに関するリアルな実体験を掲載する「365日介護日和-重度訪問介護」をスタートしました。

現在、介護を受ける当事者がどんな不便を感じているか。自分らしくいるためにどんな工夫を凝らし、心地よい環境を求め、探りながら介護生活を送っているか。そんな当事者が伝えたい実際の介護体験を募集しています。

あなたの声が、体験が、たくさんの人の役に立ち、当事者と支援者に新しい気づきもたらすことに繋がっていきます。

介護を受ける人だけでなく、看護やヘルパー、リハビリ、相談員等の支援される方の伝えたいこともぜひ教えてください。


■募集について

●対象
 重度訪問介護を利用している当事者の方、またはご家族、介護に関わるヘルパー、看護師、相談員など支援者の方。

●体験談募集フォーム

下記のフォームより入力し、送信してください。https://forms.gle/ZxxQJTxaFP5pPEyYA

※ニックネーム・ハンドルネームなど掲載可能なネームを入力ください。
※入力いただいた体験談は、個人を特定しないよう配慮した編集を加え掲載します。
※体験談は「365日介護日和」編集部にて掲載の採用を決めさせていただきます。

 

 

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365日介護日和・生活 記事

介護保険サービスを使い切っていないと重度訪問介護はうけられない?

—-体験談—–

役所からは「介護保険サービスを使い切っていないと難しい」と言われて・・。

当時、足はしっかりしていたので手引き歩行で歩けていましたが、構音障害、首下がり、肩は全廃。いよいよ手指の動きが悪くなり日中一人で過ごせなくなったので重度訪問介護の申請をしましたが、役所から「介護保険を使い切らないと認められない」と伝えられました。

私は足が動くので、介護保険のヘルパーさんのモーニングケアと介護ベッド以外に必要な福祉用具がなく、使っていた介護保険サービスは36217単位中30613単位でした。約5600単位余っていたんです。

気持ちを伝えて事例を調べ、ケアマネが根気よく訴えてくれた!

当初、ケアマネも「使い切らないと認められない」という役所の説明を鵜呑みにしていましたが、私から近隣の市では認められている事例があること、希望する生活のビジョンがあることを話し、介護保険サービスを生業にしてきたベテランのケアマネが、一から重度訪問介護の制度を勉強してくれました。
夫が仕事で日中いないこと、メガネが落ちても、涎が垂れても、呼吸しづらい向きに首が落ちても、吸引ができず窒息しそうになっても、細切れに来る介護保険サービスでは補えないことがあること、「見守り」が居なければ死に関わることを役所に何度も足を運び説得してくださり、278時間を取得できました。私の住む市で初めて認められたケースでした。

重度訪問介護制度をもっと理解してほしい。

余談ですが、先日この話をケアマネと振り返ったのですが、重訪の制度を役所の担当の方とも泣きながら勉強してくれていたそうです。ですが、やっと理解を示してくれる担当ができたと思っても、役所の担当は数ヶ月ごとに変わるのでまた一から説明し直しだったそうです。

新たな担当者に引継ぎをする際、自分より先輩だったりすると、重度訪問介護のことを知らなくても、先輩に対して恐れ多くて説明できなかったのか。
それとも人に説明できるほど解っていなかったのかは分かりませんが、引き継ぎができていない様子でした。

役所内でも重訪の制度を知らない人は多く、なぜ介護保険サービスだけでは暮らせないのかを理解できていない人が多いと感じました。学ぶ仕組みをつくってほしいですね。

私たちは、ただ天井を見つめ息をしているだけではないことを知って欲しいです。

※自薦ヘルパー:介護を受ける人が自らヘルパーを見つけ、自分専属のヘルパーとして入ってもらう仕組み。
詳細は別記事で紹介します。

 


■重度訪問介護制度とは?

病気の進行や事故、高齢により介護保険サービス以外のサポートが必要となった時、重度訪問介護という支援があります。

重い障害のある人が自宅で療養生活を送ることができるようにサポートする事業で、障害福祉サービスの一つです。ヘルパーさんは最高24時間という長時間、介護が必要な人に寄り添い、ケアを行い、心身の自立を支えます。生活のパートナーと言うべき存在となるため、お互いの信頼関係を築くことで、介護を受ける人が自分の望みにより近い生活を実現させることができます。

介護保険サービスだけでは日々の介護が足りないといったときに利用できる心強い支援です。


Q.どんな人が対象ですか?


A.障害支援区分4以上などの条件にもとづき、市区町村が認定した人です。

対象者は、次に当てはまる人です。

①   障害支援区分が区分4以上

※障害支援区分とは、どのくらいの支援が必要かを市区町村が認定するもので、区分1から区分6がある

②   二肢(両手足4か所のうち2か所)以上に麻痺等がある

障害支援区分の認定調査項目のうち、「歩行」「移乗」「排尿」「排便」のいずれも「支援が不要」以外と認定されている

③   障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上

※②③のどちらかにあてはまることが条件

 

厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000150449.pdf


Q.どんな制度ですか?介護保険や障害福祉サービスの訪問介護との違いは何ですか?


A.在宅時や外出時の介護を総合的に利用できる制度です。

介護保険や他の障害福祉サービスの訪問は、ケアプランなどにそって、決まった時間に食事やトイレといった決まった内容の介護を受けるサービスです。

重度訪問介護は、決まった内容だけでなく、日常生活のさまざまな場面で、ヘルパーの介助を得ることができます。8時間を超える長時間ヘルパーが滞在するので、自分の希望やそのときの体調に合わせて食事やトイレができるなど、個人にあわせた柔軟な支援が特徴です。それができるのは、他の訪問による介護と違って、「見守り」が認められているからです。

スポーツ観戦やコンサート、友人とのお茶などの外出も、社会参加のためとして認められています。

また、重度訪問介護は重度障害のある方(認定者)が対象となるため、介護保険のような年齢の制限はありません。
※18歳未満の障害児は、重度訪問介護の対象外になります。

【自宅】   入浴、排せつ、食事等の介護

調理、洗濯、掃除等の家事

生活等に関する相談や助言

その他の生活全般にわたる援助

【外出時】           移動中の介護

【入院・入所時】意思疎通の支援その他の支援

日常生活に生じる様々な介護の事態に対応するための見守り等の支援

厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000150449.pdf

 

 

Q.介護保険と併用できるの?

A.介護保険の利用が優先ですが、市区町村からの認定を受ければ、障害福祉サービスとの併用ができます。

介護保険サービスの区分支給限度額を使い切っていて介護保険サービスを増やせない場合は、重度訪問介護を併用できます。

市区町村によっては、「単身者のためのサービス」としているところがあるようですが、同居家族が高齢だったり、日中仕事で家にいなかったりする場合は介護者が必要です。市区町村に、重度訪問介護の必要性を伝えて時間数を確保していくことで家族負担の軽減、また独居での自宅介護生活を実現させている方が増えています。

※上記は、主に肢体不自由の方に向けての説明です。


★あなたの体験談を記事にして伝えませんか?
当事者を含め、介護に関わる人の気づきになることで、自分らしい介護生活を送るための活動につながります。

★体験談入力フォーム
https://forms.gle/S7w4BJJ991FpY8sQ8

 

 

 

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イベント

7月icotto難病Café 「ヘルパーさんとのコミュニケーション」について

7月13日(日)の19:30~の難病交流会「icottoCafé」のご報告です。

今宵の話題は・・・
「ヘルパーさんとのコミュニケーション」。

日々の生活をサポートしてくれるヘルパーさんはとても大切な存在です。
そんなヘルパーさんとのコミュニケーションのとり方、自分自身のケア方法の伝え方、ヘルパーさんとのトラブル解決策などをテーマにしました。

主な話題は・・・

①自分のトリセツ(こんなふうにケアしてほしい、日々の生活スタイル等)をどんな方法で伝えてますか?
②普段ヘルパーさんとどんな話題でお話ししてますか?
③注意してほしいことがある場合の伝え方は?
④ヘルパーさんとの関係性を築くのに苦戦していることは?

 

参加された方からのコメントをご紹介します。

①自分のトリセツ(こんなふうにケアしてほしい、日々の生活スタイル等)をどんな方法で伝えてますか?

Tさん:ケアに関しては流れのマニュアルを作っています。あまり細かく書くと覚えられないので、細かいことはその都度、メモをとってもらうようにしています。
(重度訪問介護サービス利用・自薦ヘルパー)

Mさん:自分自身の取り扱い方というものを作ってます。アップデートした時、来訪したヘルパーさんが誰でも見て知ることができるように、ボードにしています。
個人に伝えたいことがあった時は、カウンセリングの先生や当事者の友人に相談して、客観的な意見を聞くようにしてからボードに貼ります。(重度訪問介護サービス利用)

Oさん:「私のトリセツ」紹介 ※一部抜粋
・スマホより、ノートに書いて手順で覚える事
・先に、痰かトイレか聞いてください。
・回路の水滴、落とす。水滴落とす時トントンする時腕に当たり痛い為、以下のようにする。
https://youtu.be/f5PjdVFVNJI?si=w5GESnyQfwEe-QAb

・ペグ(胃瘻)接続を取る時痛いです。お腹の接続部を押さえて、抜くこと。
・枕の左下にタオル巻き、首を少し右に傾けてる。手首は、曲げると痛み伸ばす。指先冷えバスタオルを半分に。
・お腹に、バスタオル半分に折り掛ける。冷やさないため。
・冬、肩にバスタオル横に半分に折り、V字にかける。冷やさないため。
・点眼は、下瞼を軽く下に下げて点眼後、目を閉じて数分後にテイシユ拭くこと。
・ギャッチアップしてから、足にバスタオルで整える。足14度頭18度。
・注入と薬注入と吸入時、足16度頭22度。
・トイレ時、足12度で頭16度。

(重度訪問介護サービス利用)


②普段ヘルパーさんとどんな話題でお話ししてますか?

Mさん:ヘルパーさんによって話の内容を変えてます。この人はどんなことに関心があるか見極めて、話題を選んでもっとヘルパーさんの人となりを観察しています。後は、なるべくテレビのドラマやお笑いを一緒に診て、共感しています(人間関係を構築するうえで大切と思っています。)

Oさん:子供がいるので、子育てや地域のことを話すことがほとんどです。ウチに来てくれているヘルパーさんは、ほとんどが地元の方です。だから地域の話題が多いですね。先輩ママのヘルパーさんには子育ての相談をしたり、身近なことをいろいろ話してます。

Yさん:私も人によって話題を変えていますね。
リハさんとは相撲の話など共通する趣味の話をよくしています。ケアマネさんとは家族(妻)も話に参加しています。年齢も近いので、妻とケアマネさんは話が合うみたいです。
訪問看護師さんには、自分の治療や病気に関する情報を提供しています。難病の場合、患者のほうが情報入手が早いし、知っていることも多いようです。看護師さんやサポートしてくれる方に情報を伝えて共有することで、病気のことやケアについてより理解してもらいたいと思います。

Aさん:訪問看護が週1回入ってくれています。最初の頃は、グチを聞いてもらうことが多かったですね。

今は、住んでいる地域の行事や家族の話をしたり、聞いたり。訪問時間が短いので、それほど話題に困ったり、相性の問題を感じたことはないですね。


③注意してほしいことがある場合の伝え方は?

0さん:なるべくその都度伝えるようにしてます。伝えにくい内容の時は担当さんに伝えるようにしています。

Tさん:その場で言ったり、言えない時はLINEで伝えます。
自薦ヘルパーさんが4人いますが、それぞれの方とLINEで繋がり、連絡をとったり、注意したいことなども直接本人に伝えています。

Mさん:これいちばん難問です。なぜなら視線入力装置を介して伝えるので、文字だと私の意図しないように伝わることあるからです。なので、私は事業所の上の人かケアマネとか第三者に介入してもらっています。


④ヘルパーさんとの関係性を築くのに苦戦していることは?

Tさん:性格が良くても手技が伴わないとどうにもならないので、とにかくある程度、手技が上達するまで関係性も前に進めないようにしています。

Mさん:私は2018年まで海外にいたせいもあり、いまだに日本の変化に”浦島太郎”です。どのヘルパーさんとも「これでいいんだろうか?」と自問自答の日々です。

 

今回のテーマの他に、重度介護の時間数の取り方や、ひきこもる患者さんの気持ちなども話題になりました。

参加してくれた皆さん、ありがとうございます!

次回、またお会いしましょう♪

icotto:前田・丸山