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  • 難病患者の交流会「icottoイコット」に遊びにきませんか?難病患者の交流会「icottoイコット」に遊びにきませんか?
    難病患者のコミュニケーションをサポートし、難病の啓発と生活の質の向上を目指した活動を行なっている民間の団体「icotto」をご紹介します。現在、指定難病に入る疾患は330以上もあります。治療法がなく、体調維持が最善という状況の中、難病の患者さんは、病気の進行や不自由な環境と闘いながら日々を送っています。 病気になると、外出するのが困難になる方が多くいます。コロナ禍により、介護する家族も同様で、他人とのコミュニケーションをとる機会が減って孤独を感じる人も少なくありません。icottoでは、疾患に関係なく、患者や家族、さらに医療、介護、セラピストなど患者をサポートする側の人も参加できる交流会を開き、情報交換を行っています。   「icottoの名前は「気軽にいこっと」というイメージでつけました。誰もが気軽に参加して質問をしたり、また答えたり。たわいもないおしゃべりに花を咲かせてもらいたいという思いが込められています。闘病を続けていると、一人だと考えすぎてしまい、絶望と孤独しか見えなくなってしまうことがあります。人とコミュニケーションをとることで、気持ちが明るくなるし、元気になれる。新しい出会いや繋がりができるなど、喜びや楽しみも生まれます。それに、実体験をもとにしたナマ情報が得られる場も必要だと思ったんです」 icotto主催:前田理恵/丸山明子   icottoの公式LINEに登録すると、交流会やグループチャットに参加することができます。現在、全国各地、220名近い登録者があり、大所帯となったicotto。登録されている人は患者だけでなく、ご家族や患者さんをサポートする方、ヘルパーさん、看護やリハビリ職の方など、さまざまです。 患者に関わる全ての人に、知ってほしい、気付いてほしい。 そんな思いを込めて、患者だけでない交流の場づくりを行う活動を続けています。 ちょっと覗いてみようかな。そんな気持ちでicottoに立ち寄ってみてください。 団体名 icotto(イコット) 登録者数 220名※2023年現在 登録料 無料 登録方法 公式LINEにご登録くださいhttps://lin.ee/55pcWLy1l 登録対象者 難病患者(確定診断のみ)、難病患者ご家族、介護、医療、 福祉に携わる方、難病支援(ボランティア)に関心のある方。 対象地域 全国 主な活動 ・交流会開催※現在オンラインのみ ・LINEによるオープンチャット常設・難病・介護・リハビリに関する情報提供※icottoは個人的なお付き合いを目的とした集まりではありません。個人情報を公にしたり、特定の方へのアプローチはご遠慮ください。 主催者 前田理恵・丸山明子 当い合わせ icottocafe@gmail.com  
  • 心とカラダを調えるセルフメディケーション・患者と介護者の支えあいのケアを提案していきます。心とカラダを調えるセルフメディケーション・患者と介護者の支えあいのケアを提案していきます。
    カラダの不調をなくすための、気持ちイイの先をめざしたセルフケアを。 セルフメディケーション。 自分自身を癒し、体調を調えて過ごす。 それができていれば、きっと毎日、元気でいられるのだろうと思います。 もちろん、病気にならないなんてことはないけれど、リスクは減ります。そして何よりも、つらさから解放されて気持ちよく過ごせるようになれば、自然と心も軽くなりますね。 でも、現実は… -時間がなくて。 -やり方がわからない。 -どうせ長続きしない(あきらめモード)。 できない理由はたくさんあるけれど、この際、思い切って不調を改善するためのはじめの一歩を踏み出してみませんか? Uniqueでそのきっかけがつくれたら…、そんな思いでセルフメディケーションセミナー始めます。 皆さんのご参加をお待ちしています。 病気や障がいがあっても、セルフケアを日常に取り入れてく。支えあいのケアをご提案します。 慢性的なカラダの不調は心にも影響を及ぼします。呼吸がしずらく感じたり、動悸がしたり、夜なかなか眠れない…。自律神経の乱れもほっておくと修復が難しくなってきます。 自分ケアは早いに越したことはない。 それは、障がいや病気のある、なしに関わらずです。病気や身体の機能障害の影響からくる様々な不調は、日々のケアで療養生活にも違いが出てきます。 例えば、車いす生活を送る方は、足のむくみに悩む人が多くいます。むくみが軽減できればカラダ全体に血流がよくなり、冷えや頭痛、関節のこわばりなども改善することも。 ご自身で行うことが難しいときは、ご家族やサポートされる方と一緒に、ケアの方法を学んでみてはいかがでしょう。 Uniqueでご提案するセルフメディケーションは“自分だけで行うケア“ではなく、支えあいのケアでもあります。 家族やサポートされる方と支えあいながら続けていき、それが日常の中で浸透すれば、ケアのある生活習慣が生まれていきます。 大切な人を支える方にも知ってもらいたい。 障がいや病気のある人も、ない人も、支援される方、支えているご家族も、皆さんに気付いてもらいたい。 セルフケアで自分を、生活を変えていきましょう。 カラダが欲する。心がリラックス。自分自身が求めるバランスの調え方を見つけましょう! Uniqueのセルフメディケーションセミナーでは、様々なセルフケアを学ぶことができます。 自分にあった方法を見つけていくために、興味をもったセミナーに体験してみることをおすすめします。 どんなセミナーが行われるのかは随時、インストラクター紹介を掲載していきますのでお楽しみに。 ご興味をもっていただけたら、facebookグループ「Unique S-medi」に参加してみてください。 セミナー内容やインストラクター紹介、イベント情報も配信していきます。 Unique Self-medication | Facebook 【イベント・セミナー開催報告】 ●10/16(日)セルフメディケーションイベント開催 https://unique-w.net/category-event/4141/ https://unique-w.net/category-event/4225/ https://unique-w.net/category-event/4254/ ●11/23(祝・水)リンパドレナージセミナー開催
  • あなたの活動、経験が誰かのためになる。Uniqueから発信を!あなたの活動、経験が誰かのためになる。Uniqueから発信を!
    Uniqueでは、各団体、企業、個人で活動されている方への広報サポートを行っています。 インターネットが主流となった今の時代。誰もが広く、早く情報を発信できるのは便利ではあるけれど、移り変わりが早いので、動きについていくのは大変です。時間もお金もかかるから、もう放棄してしまうおう…という気持ちも理解できますが、ホームページのクオリティーが信頼や信用にまで影響を及ぼすくらいネット効果は大きいので、活動や運営を続けていくためにも、無視することはできないと思ったほうがよさそうです。 社会のニーズはわかっているけれど、それに応えることができない、対応できる人がいなくてついていけいない。そんな時はどうすればいいのか。困ったままにしておいては前に進めません。 Uniqueでは、誰かにアドバイスをしてもらいたい。困った状態から抜け出したい、もしくはもっと活動や情報を広めたいという時に記事掲載でご紹介するサポートを行っています。 ホームページの代りとして情報提供にご利用していただくことも可能です。 個人でファシリテーターとして活動を始めたいという方からの相談も大歓迎! 下記のアドレスからメールで相談内容をできるだけ詳しく記入して、送ってください。 まずはメールで無料相談してください。 ※以下を入力。伝えたいことなどあれば、付け加えてください。 団体・企業・個人名 担当者名 TEL Mail ホームページや広報ツールのデータ(制作している場合) 相談内容 ※件名には「要相談」といれてください。 ※アドレスはコチラです。 info@unique-w.net Uniqueで配信しませんか? とにかくわからない…。といった相談もOKです。イベント告知、会員募集も記事掲載できます。 どんなこと、どの程度のことを相談していいの?どんな内容が記事になるの?と心配される方のために、実際に受けた相談をあげてみました。 ◆一般社団法人を立ち上げた方からの相談内容は、ホームページの制作について。 Q.トップページを含めて3ページでいいんだけど、制作に30万円もかかるって!3ページなのに、そんなにかかるの? インターネットで調べて、制作会社見積もりを依頼したそうで、なんだかんだと30万円くらいかかってしまうということがわかったとのこと。制作費をかけられないので、ホームページを断念するしかないのかというご相談でした。 ◆オンラインイベントを開催することになり、参加者募集の方法と宣伝方法についてのご相談もありました。 Q.前回やったオンラインイベントは、思ったほど参加者が集まらなくて。今度こそって思っているんだけれど、何をすれば参加者が増えるのかわからなくて…。 SNSを使って拡散し、参加者を増やしたいと考えているけれど、やり方がわからずにストップ。何から手をつけたらいいのか、スケジュールを立てて進められるようにしたいとのことでした。 相談ごとに予算や条件などが異なるため、アドバイスの内容も様々。Uniqueのサイト内で記事としてPRする他、対応できる制作会社の紹介なども行っています。できる限りのご協力、アドバイスを行いますので、ご連絡お待ちしています。 ◆Uniqueで記事紹介します!ご参考に。 難病患者の交流会「icottoイコット」に遊びにきませんか?

– INTERVIEW –

インタビュー

  • 介護に生かしたいお化粧のちから 化粧×介護介護に生かしたいお化粧のちから 化粧×介護
    臨床化粧療法士®河村しおりさん × 土屋訪問介護事業所・綾部清香さん × インタビュー・Unique 前田りえ 介護サービスのプロフェッショナル、土屋訪問介護事業所でブロックマネージャーを務める綾部清香さんと化粧を介して心身のケアを行う臨床化粧療法士の河村しおりさんの対談です。介護の現場で、お化粧のちからは生かせるのか。重度訪問介護のリアルな現状を話の舞台に、介護サービスを提供するヘルパーさん、受け手となるご利用者の双方の立場になってお化粧の生かし方を考えてみました。 前田りえ(以下:前田)「介護とお化粧というテーマでお話伺いながら、介護現場でのお化粧の生かし方を探っていきたいと思っています。一見、関係性が薄いように思いますが、お化粧と介護、その接点や結びつきを感じたご経験などはありますか?」 綾部清香さん(以下:綾部)「今日、河村さんとのお話する機会をいただいたので、あれこれと考えていたら、自分の曾祖母のことを思い出しました。 小さい頃、曾祖母によく面倒をみてもらっていて、わたしはひいお婆ちゃん大好きっ子だったんですが、最近は思い出すこともなくなっていたのですごく懐かしい気持ちになりました。 思い出したのは、お婆ちゃんが通っていたデイサービスでお化粧をしてもらった日のことです。みんなにキレイって言われて、すごく嬉しかったんだと思います。私にも見せたいから、帰ってくるまでお化粧を落とさないで待っててくれて。あの時の、真っ赤な口紅を塗ってうれしそうなお婆ちゃんの顔、久しぶりに思い出しました」 河村しおりさん(以下:河村) 「すごくいい思い出ですね。お化粧すると気分がいきいきして高揚感が生まれて、人によっては代謝が上がって、口腔ケアにもつながっていく。いい効果がいっぱいあります。 キレイになったねーって言われたら、やっぱりうれしくなりますよね」 綾部「そうですよね。いくつになってもキレイでいたいって思うのは当たり前で特別なことじゃない。それは、病気や障がいを持った方でも同じで、お化粧したり身だしなみが整っていると、気分よし!ってなりますよね。 臨床化粧心理士®の資格をとった方は、高齢者や介護が必要な方にもお化粧のアドバイスを行っているんですか?」 河村「2018年から化粧に関する3種類の資格講座を運用していて、認定資格者それぞれが美容に関する分野だけでなく、いろんな場で活躍しています。医療や介護の現場でも資格を生かしてがんばっている人はたくさんいますね。 臨床化粧療法は、お化粧を介した心理療法という考えが核にあるので、メンタルケアにおすすめなんです。お化粧というのはあくまでもきっかけであって、行為に過ぎないんですが、それでもお化粧をすることですごくポジティブになったり、自信が持てるようになったり、心理面ではすごくいい効果が出ると思います」 前田「介護の現場でも、お化粧することを望まれる方はきっと少なくはないと思うのですが、いかがでしょう?実際にお化粧をサポートすることはあるのでしょうか?」  綾部「土屋訪問介護事業所は、重度介護が必要な方への訪問サービスが主なんです。動くことができなくて、自分ではお化粧をすることが難しいご利用者が多くいます。 動けなくてもキレイでいたい、お化粧してもらいたいという方にはその気持ちに応えたいと思うのですが、ご利用者の生活環境やスタッフとの関係性とか、それぞれ状況も違うので、そういうきっかけをつくるのが難しい場合もあるんです」 前田「お化粧って個人差があるから、サポートする側も得意な人もいれば苦手な人もいるはず。そこが一番の課題みたいですね」 河村「お化粧って、いろんな段取りがあって、すべてに意思決定、判断、選択が必要とされる実はすごいハイレベルな行為。だからサポートする人にとってもハードルは高いはずです。 まずはスキンケアからトライしてみたらどうでしょう。肌を守って、清潔感を保つ意味でもスキンケアはとても大切です。正しいやり方をすることで肌の状態がよくなるし、スキンシップという面でも効果的だと思います」 綾部「高齢者の方には、スキンケアサポートから声掛けするのはいいですね。病気や障がいで介護が必要になった方に関しては、自分でやっていた頃と同じように生活することを望まれる方が多いんです。だからスキンケアも毎日、朝夕しっかりやってお肌ツルツル。うらやましいくらい(笑)そんな方に、美容の知識やメイクに自信がないスタッフは積極的にお化粧の話をしにくいんですよね」 河村「病気になっても生活を変えたくない気持ちは、すごくよくわかります。ご利用者の気持ちが一番だと思うから、まずそこを確認するきっかけが作れるとスムーズだと思うけれど…。ヘルパーさんの得意、不得意があることを前提にすると、誰でも声を掛けやすくするような、仕組みがほしいところですね」 綾部「ヘルパーさんとご利用者の相性の問題もあるし、コミュニケーショ不足でうまくいかないというケースもあるので、スタッフに上手なきっかけの作り方を伝えたいな、と思うことが多いです」 河村「ちなみに、美容師法という法律では、美容の免許を持つもの以外は首から上のお化粧を行うことが禁止されているんです。この法律遵守の立場からすると、専門知識がない方がお化粧をしてあげることで、トラブルが発生することもあるんじゃないかと。それが心配ですね」 前田「美容師法という法律で規制されるくらいだから、お化粧にはメリットだけでなくて、気を付けなければいけないリスクもあるってことですよね」 河村「お化粧品が肌に与える問題や髪を染める時の市販のカラーリング剤のトラブルとか、いろいろあるんです。薬を服用されている方も多いだろうし、体力、免疫が下がっている方も少なくはないと思うので、そういう方をケアする最低限の知識は持っていないと心配です」 綾部「美容師法では、そういう縛りがあるんですね。介護の制度では、お化粧はヘルパーの仕事として認められていますね。 居宅介護サービスの中でヘルパー(介護職員)が提供する生活支援業務に、メイクも含まれているんです。身体整容(※1)の一部です。 私たち(介護職員)がお化粧をお手伝いするのは、美しくなってもらうことが目的ではなくて、身だしなみを整えたり、衛生面のケアの一つ、生活の中で必要なケアというとらえ方をしています」 ※1訪問介護サービスや介護保険施設の介護現場で、介護者が提供する生活支援業務に「身体整容」という項目があって、洗顔・歯磨き・整髪・爪切り・耳かき・ひげそり・メイクのサービスが含まれています。 前田「お化粧は身だしなみの一部。そういう介護制度の内容だったり、現場の状況を知らない人が多いのではないでしょうか? もっと多くの人が知ることになれば、ヘルパーさんを多面的にサポートすることができるのかもしれませんね」 綾部「重度訪問介護では、ご利用者の家族のかわりになって生活を支えることが求められるので、サポートする内容はものすごく多いし、幅広いんです。人対人の関係性も重視される仕事だから、そういう面でヘルパーのサポートも必要なんです」 河村「家族のかわりになって…はすごいっ!って思います。そうやって患者さんを支えているのを、知らない人も多いんじゃないでしょうか。社会に必要な素晴らしいお仕事だと思いますよ。 私たち臨床化粧療法士®もそういう介護事情というか、制度のことを知ることで、発展があるというか、お手伝いできることが見つけられるように思います」 綾部「ご利用者の生活の中に入ると、その方のペースで介護が成り立っているケースが多いのですが、河村さんが話されるように、トラブルにつながらないための知識は持っておくべきだと思うんです。ご利用者の要望に応える時も、心配があるときはそのことをちゃんと説明することができれば、信頼関係が保てますよね」 河村「正確な情報を知っておくことは大事だと思います。例えば、化粧をしたら、落とすサポートも考えてあげなくちゃダメですね。体を起こせない方がちゃんとお化粧を落とすにはどうしたらいいのか。ふき取りタイプのクレンジングを使うとか、使ったことのない商品を使うのであれば肌にあうのかどうかをチェックするとか。そういった知識を持っていないと、サポートする人も、される人も不安になるし、トラブルを起こさないための学びは絶対、もっておいたほうがいいですよ」 前田「お化粧はキレイになることでの心理的な効果だけでなく、介護の現場では、コミュニケーションづくりに生かすことができると思いますが、いかがでしょう?」 綾部「ヘルパーがご利用者との信頼関係をつくるのに必要なのは、ご利用者のことを知ることなんです。スキンケアやお化粧の話題からいろんなことを知ることができるかもしれないですね。 それにお化粧やスキンケアのサポートを行うと、肌に触れることになるので、グッと距離感がちぢまる気がします」 河村「コミュニケーションに生かすにもいいですね!スキンケアの話をしましたが、他にはネイルもおすすめですよ。ネイルは、装飾や好みの色でキレイになった手を自分の目で確認できるところがいいんです。鏡で見るのとは違ったリアル感があって、気持ちがあがりますよね」 綾部「アートっぽく仕上げることができなくても、シールとかありますよね。爪がツルツル、艶っぽい光沢感があるだけでも、ちょっといつもとは違う感じがして楽しいかも」 河村「臨床化粧療法士®協会の活動には、高齢者施設に出向き、お化粧体験や指導を行うこともあるのですが、訪問だとそれは難しいですよね。でも、ヘルパーさんやご家族に向けて、お化粧のケア方法を知る機会があったら喜ばれるんじゃないでしょうか」 綾部「今、重度訪問介護の現場は人手不足で、十分な介護を受けられない方もいて、それをなんとかしたいんです。一人でも多くの人が、ヘルパーさんがついて安心して生活していただけるようにするのが課題であって、大きな目標でもあります。 そのためにできるこは何か…を考えると、私は介護現場で働いていた経験から、ヘルパーさんが働きやすい環境を作っていきたいと思っているんです。お化粧にかぎらずですが、ヘルパーが自分では対応しきれないこともたくさんあるので、そういう時に役に立つきっかけやヒントになるようなことを提供していくことが必要と感じています」   河村「綾部さんのお話しを伺って、重度訪問介護についてもっと深く知りたいと思いました。そういうきっかけをいただいてありがたいです。 ヘルパーさんをサポートすることが、患者さんのサポートにもつながっていくのだと思います。 お化粧によるプラスの心理効果をどうやって現場に生かしていくかは、まだ課題がありますね。私たち臨床化粧療法士®が重度訪問介護の現場でどんなサポートができるか。その方法を見つけていきたいとも思います」 前田「綾部さん、河村さん、ありがとうございました!介護の状況をよくするには、質と量の両面が十分に満たされることが必要だと思います。 お二人のお話から、介護に関わる方が質をめざしていける環境づくりへの大切さを改めて感じました。それと、現場を知ることで多くのことに気付かされますね。 こうした領域の異なる異業種の出会いから、新しい支えあいのスタイルが生まれることを期待します」 綾部清香さん ユースタイルラボラトリー㈱土屋訪問介護事業所エリアマネージャー ユースタイルラボラトリー株式会社が運営する土屋訪問介護事業所に2015年入社。現在、千葉県・神奈川県の事業所管理を行うブロックマネージャーを務める。 ★綾部さんのプロフィール詳細はコチラhttps://tsuchiya-houmon.com/4439/ ★土屋訪問介護事業所https://tsuchiya-houmon.com/   河村しおりさん 一般社団法人日本臨床化粧療法士協会代表理事     20代前半に指定難病(SLE・全身性エリテマトーデス)の診断を受ける。闘病生活を送る中で、“化粧”による対人支援の道を見つけ、臨床化粧療法士®としてスキンケアの考え方を提唱。化粧外来の運営や、医療機関内での美容相談、臨床化粧療法士®の認定・育成に力を注ぐ。 ★河村さんへの講演依頼、臨床軽症療法士®へのセミナー依頼についてはこちらをご参考に。ttps://japanclinical-cta.org/kigyou/★一般社団法人 日本臨床化粧療法士協会https://japanclinical-cta.org/★資格に興味を持った方はコチラを要チェック!https://japanclinical-cta.org/manabu/       
  • ALSと闘うSHUUさん 心の声ALSと闘うSHUUさん 心の声
    2年前にALSと診断されたSHUUさん。彼のことは、ブログで知りました。自分の気持ちを正直に綴ったSHUUさんのブログはすごい人気で、たくさんの読者がいます。毎日更新される日々の小さな出来事は、読んでいるとほっこり癒されるし、病気と闘いながらも優しさを失わないSHUUさんの強さ、溢れんばかりの家族への愛に触れ、温かい気持ちになれます。けれど、すべてがhappy話ばかりではなく、悲しみや悔しさや時には憤りさえ感じてため息が出てしまうことも。一喜一憂、こんなにも心を揺さぶられるブログは初めてです。実際のSHUUさんは、どんな方だろう。望む未来、見えない苦しみ、伝えたい思い、知ってもらいたいこと、気づいてほしいこと…もっと、もっとたくさん心の声があるんじゃないのかな。 SHUUさん、きかせてください。今、あなたが伝えたいことは、何ですか? interview 「今、たくさんの人からエネルギーをもらって生きています。ALSになっても人と繋がれる。生きていくには、孤独になっちゃダメなんです」 「ブログを始めたのは、自分がどうやってALSと向き合って、どんな思いで生きたかを息子に残しておきたかったから。それと、ALSに罹患した人の参考だったり、生きる活力になれば…という思いもあったので。でも、今では自分が生きていくための活力になっています。一言で言うと、ブログは心のジム!ALSに身体の筋肉は取られてしまいますが、心の筋肉は取られません。ブログの読者からのコメント一つひとつが、心の筋トレになっています。 体が不自由になり、外出が難しくなったり、コミュニケーションがとりにくくなったり、できないことがどんどん増えていますが、それでも、人って繋がっていくことができるんです。人との繋がりがいかに大切で、生きていくのに必要だということを、今、切実に感じています。 もし、病気や障がいがあって孤独を感じている人がいたら、あきらめないで、少しづつでも自分から動いてみると変わることがたくさんあるんじゃないかなと伝えたい。わたしも、ブログなどで自分自身について発信したり、催しや集まりに参加することで、たくさんの人と新しい繋がりができました。今までやったことのない活動にも参加したり、健常者の頃より忙しいかも(笑)ずっとふさぎこんだままで、自分の殻に閉じ籠っていたら、今きっとこの世にはいないと思う。なので、リアルでもSNSでもいいから、まず自分から動いてみる。これは、とても大切なことだと思います」 誰だって震えるほど寂しい時がある。死ぬほど辛くなるときもある。そんなとき、SHUUさんの言葉を思い出してほしいと思います。 「自分から動いてみようよ」 辛くても、苦しくても、それでも動いてみよう。きっと、何かが変わるはず。そう信じてね。 ★SHUUさんのブログ https://ameblo.jp/als-toubyou-kiroku 「多くの人が気づいてほしい、知ってもらいたい『地域格差』。誰もが同じ介護環境で生活できる世の中になってもらいたい」 SHUUさんは現在、長野県にお住まいです。この地で生まれ育ち、ご自身で美容院を経営されているそうです。 「他の場所に住んだことない、生粋の地元民です。自分の故郷であるこの地をとても大切に思っていますが、病気になり、いざ24時間介護が必要という状況になってみると、介護支援サービスが遅れていて大変なことばかり!地域格差を強く感じています。現在、長野市で重度訪問介護を受けている人は、自分をいれて2人しかいないようです。事業所は1つもなく、この制度が十分浸透していない事実、それによる生活維持の不便さは生死に関わる問題だと思います。 ちなみに、同居家族がありながら、わたしのように24時間の介護、月744時間を獲得できたのは、なんと市内初なんです!前例がない、初めてのことだから、申請を出すのも大変でしたが、支援してくれる方々がチームになって頑張ってくれたおかげで、どうにか希望が叶いました。自分という事例ができたので、今後に繋がっていってほしいと心の底から思っています。」 『地域格差』という言葉が何度も頭を打ち付けます。難病になると、病気だけでなく闘う対象が本当にたくさんあって、へこみます…。SHUUさんが月744時間を獲得したとしても、肝心のヘルパーさんがいなくては、生活が成り立たない。重度訪問護事業所がないため、ヘルパーさんを自分たちで探すことになり、現在も募集中とのこと。自薦ヘルパーさんを雇用することになるので、それもひと苦労の様子。ブログを読んでいても、SHUUさんの日常にいかにヘルパーさんの存在が必要不可欠であるかがわかります。いなくてはならない存在がいないという現状。でも、それはSHUUさんだけの問題ではなく、重度訪問介護を必要とする多くの人が直面する悩みの種でもあるのです。 「家族のことを思うと、24時間介護体制を整えて、少しでも負担を軽減させたい。自分のためというよりも、寝る時間がほとんどなくて、ずっと頑張り続けている奥さんが辛すぎるし、それを知って何もできない自分も辛いです…」 SHUUさんの伝えたい思い。声に出すことができなくても、どんなに強く、切実な思いかが心に響いてきます。この思いを受け止める人がもっと、もっと増えて、拡がって、大きな力になってほしい。誰もが、同じように支援を受けながら生活できる環境が必要です。わたしも、声あげて伝えていきたい。それは生きる選択につながっていくことだから。 「生涯、美容師でいたい!これからも、夢を追いかけて、心の声を思いっきり伝えていきたい」 「生涯美容師の夢が、現役としては志半ばで終わってしまいました。でも、自宅でサロンをやっているので、現役ではないけど、持ってる知識を受け継いでいくことはできます。だから、生涯美容師でいたいという思いは、今も変わりません。治療薬ができて病気が治り、美容師になると言っている息子(今のところは…笑)と一緒にサロンに立てる日が来ること。これが、一番の夢!叶ったら最高!!」 SHUUさんがALSになってから、一番といっていいほど激しく落ち込んだのは、もう自分はカットが出来ないと悟った時。ALSに診断されたり、気管支切開の時よりもショックだったそうです。どれだけ、美容師という仕事にほれ込んでいたか…。 「病院に2週間入院してサロンに戻った初日に、お客様のカットに入ったら腕が全然上がらず…。もう、カットが出来ないんだ。美容師終わりじゃん。人生も終わりだ…と思いました。まだ確定してから1ヶ月弱くらいしか経っていなくて、あまりにも早すぎる進行に、どうしようもないくらい絶望的になって…。夫婦で大泣き。その日はちょうど送り盆で、同じALSで亡くなっている父が空に帰る日だったんです。一緒に連れてって…って。これ、ブログにも書いたな」 今、自宅の2階をサロンにして、奥さんのあっちゃんとスタッフさんがお客様を迎えているそうです。あっちゃん、サロンのこともバリバリこなしてすごい。一人でがんばりすぎてない?大丈夫かな…。 「全部一人でなんて、やり切れてないですよ。いつも、SHUUさんに相談しながらすすめているんです。アドバイスしてもらうというか、指示をもらいながら。美容師としてSHUUさんは技術も経験も教わるところばかり。SHUUさんがいるから、やっぱり心強いです」とあっちゃんが明るく返してくれました。あっちゃんはSHUUさんと一緒に、大切なものを一生懸命守っているんですね。 最近、ご自身の経験をいかして、障がいのある方や病気の方でも気軽に、気楽に利用できる美容サロンになるという、新たな目標もできたそうです。 「自分が当事者になって気づいたんですが、体を自由に動せなくてもおしゃれしていたい。キレイにしていたい。そういう思いはあるけれど、迷惑かけるとか、気を使うから疲れるとか、もう自分なんてとか、あきらめちゃっている人が多いと思うんです。気軽に行ける美容院があって、キレイになれたら気持ちも上がるし、楽しみが増える。外出が難しい人が、外に出ることにワクワクする、そんな気持ちになるようなサロンにしたいと考えています」 ■SHUUさんの自宅2階、美容サロン「SOUP HAIR FACTORY(スープ ヘア ファクトリー)」カット、ヘアカラー、パーマなどご要望を事前に伝え、予約を入れて来店ください。※駐車場有 ※エレベーター有(広さに制限があります)  ※車いすのままでの対応可問い合わせ:026-217-7628 最後に。あっちゃんへ…。 SHUUさんの奥さんであるあっちゃん。全身全霊でSHUUさんを支えています。妻であり、母親であり、サロンの仕事もこなす毎日は、きっと私が想像する何倍もハードなはず。それでも、悲壮感など微塵も感じさせないあっちゃんの明るさには、人を元気にする力がぎっしり!とても、強くて、優しくて、魅力的な人です。 「進行が早く、確定2ヶ月でマスク式呼吸器を使い始め、3ヶ月で車いすになって24時間マスク式呼吸器を使う生活になり、8ヶ月で気管切開と胃ろう。早すぎて、行政も何も追い付かず、妻は24時間全介助をしながら大量の書類や申請をこなし、毎日ほとんど寝る間もない日が続いて…。気管切開をしないと生きられない、そんな生きる選択をせまられた時、それでも一緒にいてほしいと言ってくれて…。妻は病気になった自分と共に生きる選択をしてくれました。感謝なんて言葉では言い表せない。気弱になって、悲観的なことを言っても、いつもわたしに最善な方法を考えてくれる。本当に心から思ってる、ありがとうって…。妻と出会えたことが人生最大の幸せです」 SHUUさんの思い、あっちゃんにしっかり伝わっていますよね。 読んでいただいた方にSHUUさんからのメッセージです。 「普通だったり、当たり前にできることが、どれだけ大切かを感じて、後悔しない生き方をしてほしい。それが自分の経験から伝えられることです」 後悔しないように、わたしは、まず大切な家族、支えてくれている人に、ちゃんと気持ちを伝えようと思いました。心の声を一言、一言、丁寧に聞かせていただき、わたしなりの言葉で伝えさせていただいたことに、SHUUさんとあっちゃんに心から感謝します。 ※このインタビューは2020年11月にnote「NOW・いま」に掲載した記事を年数等のみ更新して「Unique」で掲載しています。 Unique/Writing Maeda Rie 
  • 「心を支える化粧のちから」臨床化粧療法士®河村しおりさん Interview 「心を支える化粧のちから」臨床化粧療法士®河村しおりさん Interview 
    自分の容姿にコンプレックスを抱えていたり、病気や事故による外見の変化に悩む人の苦しみを聴き、改善する方法を一緒に考え、寄り添うように支えてくれる人がいます。 臨床化粧療法士®のことを、あなたは知っていますか? 誰もが、自分の外見や容姿について、大なり小なりコンプレックスを感じているものです。 不安や悩みは一人で抱え込むことで大きくなり、苦しみが増して、生きづらさにつながっていく…。 そんな負のスパイラルにハマって抜け出せなくなっている人に手を差しのべてくれるのが「臨床化粧療法士®」です。 この資格の生みの親であり、活動の普及に力を注ぐ河村しおりさんに、化粧の持つちからについてお話を伺いました。 ネガティブな経験がポジティブの土台になる! 前田:河村さんがお化粧のちからで人をケアすることになった経緯は、日本臨床化粧療法士協会のホームページを拝見して知ることができました。20代に難病SLE(全身性エリテマトーデス)を発症し、そこから長い闘病生活。そして、社会復帰、法人設立、新たな資格制度をつくって普及活動…すごくたくさんの経験をされていて、河村さんのこれまでの人生を本にしたら、一冊じゃ収まり切れないくらい長編作品ができそうです(笑) https://japanclinical-cta.org/aisatsu/ 河村しおりさん(以下:河村):そうなんです。波乱万丈ですよ。難病になってからはしばらく、北海道の実家で無気力な闘病生活を送っていました。このままじゃいけないと思って東京に飛び出し、それから友人の美容ディーラーの仕事を手伝うことになって兵庫県に移り住み、また東京に戻り協会を設立して…。 慌ただしい人生ですよね(笑) 前田:無気力な闘病生活を送る河村さんは想像できないですね。こうして話ながらもすごいパワーを感じています。それでも、これまでの道のりにはたくさんの困難があったと思いますが、それを乗り越えてきたエネルギー源ってなんでしょう? 河村:落ちるだけ落ちて、あとは前を向くしかないというところまでいったので、開き直り的な底力はあったかもしれませんね。 でも、自分一人でここまでやってきたというわけではなく、私はすごく人に恵まれていて、支えてくれる人がいたから進むことができたんです。人の出会いや繋がりはとても大切ですね。 前田:自分を理解してくれたり、賛同してくれる人の存在は本当に大切だと思います。ただ、そういうご縁や繋がりを作っていくには、自分自身に熱量がないと人の心に届かない。さらにその熱量を維持していくには、強い思いが必要ですよね。 河村:美容ディーラーの仕事に就いて、化粧を通じた社会貢献という道が見えてきたんです。それで、東京に戻り自分の容姿に苦しむ人の相談にのる「お化粧ボランティア」を始めました。そのときに、患者ではなく利益を優先する現場に対して強い違和感を感じて、医療と美容を繋ぐ役割りになろう!お化粧のちからで人をケアしていきたいって、心から思ったんです。その思いが今の活動の原点ではありますね。 前田:患者主体という意識や気づきが持てたのは、ご自身が苦しんだ経験があったからこそなんでしょうね。 河村:そうなんです。患者でなければ気づかなかったかもしれませんね。ネガティブだった時はすごく辛かったけれど、今ではその経験が役に立っていると言えます。ネガティブな経験があったからこそポジティブになれた。生きていて、無駄なことなんて、きっと何もないんですよね。 喜びを生み、自分を取り戻すお化粧のちからは絶大! 前田:お化粧のちからで人をケアするというのは、具体的にはどんなふうに? 河村:対象者によって変わってきますが、どんな方にも知ってもらいたいと思うのが、正しいスキンケアです。古くて劣化した化粧品を使わないための品質チェック。洗顔や頭皮の洗浄のやり方、肌の状態にあわせたスキンケア方法…、自分で自分の肌を守るための基本指導を積極的に行っています。肌を健やかに保つことは感染症予防や褥瘡予防に通じるし、スキンケアをないがしろにして肌がガサガサでは、お化粧してもきれいにならないですよね。 スキンケアは、老若男女すべての人に関係することなんです。 前田:医療従事者の方々に向けたスキンケアセミナーを積極的に行っているそうですね。 病気になっても、歳をとっても肌はスベスベがいいし、身だしなみを整えていたいものです。そういう患者の気持ちを分かって、気配りをしてくれる人が増えてほしいと思います。 化粧療法では、心理的な面で実際に変化や効果はどんなふうに出ているのでしょうか? 河村:介護施設で利用者さんにメイクアップを楽しんでもらう化粧療法を行ったときは、みんな表情がいきいき、笑顔になってうれしそうでした。これこそお化粧のちから!生きていくには喜びが必要なんですよね。 前田:化粧によって喜びが生み出される。そこから発展した心理的効果はかなり期待できそうですね。 河村:お化粧という行為はとても崇高、レベルが高い行いなんです。お化粧は選択肢を自分の中にもって、意思決定をする。これの繰り返しなんですね。どの色にしよう、次はどれを付けよう。どんなイメージに仕上げよう。そうやって自分が望む姿を作っていくと、自然と自分を再認識していたり、昔のことを思い出したり。 前田:普段何気なくやっているお化粧ですが、心理面だけでなく、実はその行為そのものがリハビリのようなものなんですね。 河村:一例ですが、昔、社交ダンスをやっていたという認知症の方にお化粧を進めたら、驚くほど積極的で、上手にメイクされました。自分が華やかに踊っていた頃を思い出しているみたいでした。認知症が進んで介護度が高い方でしたが、その後改善が見られています。そんなふうに効果が分かりやすく出るケースもあります。 化粧を介して人に寄り添い、心を癒す臨床化粧療法士® 前田:高齢の方だけでなく、病気によって容姿に悩む方へのケアにも力をいれていますよね。 河村:私は難病になってステロイドの大量投与で顔がパンパン、摂食障害も併発して髪も抜けていき、自分が自分でなくなっていく恐怖でいっぱいの時期がありました。 そういう経験があるからこそ、病気がもとで容姿のことに苦しむ人の支えになりたいという思いは強くあります。 前田:そういう場合、病気によって症状も違うし、メンタルが下がっている人も多いと思うので、対応はとても難しいのではないですか? 河村:なにが正しい、こうしなければならないという決まりは持っていないんです。相手を理解することを一番に、人それぞれ、ケースバイケースで接します。今、現実をどうとらえていて、どうなりたいのか。それが思いつかないのなら一緒に模索を繰り返す。そして思いついた時に、その方がなりたい状態に近づけるサポートを行う。それが臨床軽症療法士®の役割りだと思っています。 前田:あらためて、化粧のちからは興味深い!人を元気にできる可能性がいっぱいありますね。必要とされる人と“化粧”を介して結ばれていくのが臨床化粧療法士®だとすれば、何をして効果を出すのかというよりも、人と繋がり、その人に寄り添うことが大切で、それがケアに必要なことなんですね。これは、河村さんの経験から生まれた化粧療法の考えでしょうか? 河村:自分が病気による外見変化に苦しんでいた時に必要だったのは、相談するところ、話を聴いてくれる人だったんです。治すことができない病や、障がいを持ったことは、人生にとってすごく大きなアクシデント。事故のようなものだから、どうしてとか、なんでとか、考えても答えはでないんですよね。でも、そのために社会の中で立ち止まって動けなくなってしまうこともある。そういう人の力のなりたいんです。 当事者だからこそわかること、できることがあると思うので。 前田:河村さんが難病を患っていることをついつい忘れそうになりながら、お話を聴かせていただきました(笑) 「化粧のちから」は本当に奥深くて、無限の可能性を感じます。臨床化粧療法士®が活躍する場も幅広いし、これからさらに広がっていきそうですね。 河村さんのブレない生き方にも、いい刺激をいただきました。 ありがとうございました!! 河村さんのお話はまだまだ続きます。次は介護をテーマにした話題で「化粧のちから」お届けします。 河村しおりKawamura Shiori 一般社団法人日本臨床化粧療法士協会 代表理事 20代前半に指定難病(SLE・全身性エリテマトーデス)の診断を受ける。闘病生活を送る中で、“化粧”による対人支援の道を見つけ、臨床化粧療法士®としてスキンケアの考え方を提唱。化粧外来の運営や、医療機関内での美容相談、臨床化粧療法士®の認定・育成に力を注ぐ。 ※河村さんへの講演依頼、臨床軽症療法士®へのセミナー依頼についてはこちらをご参考に。 https://japanclinical-cta.org/kigyou/ ●2017年 一般社団法人 日本臨床化粧療法士協会 設立 学術研究に基づいたアピアランスケアの考え方を提唱。法人団体を設立。 ●2018年、臨床化粧療法士®の資格認定を開始臨床化粧アドバイザー/臨床化粧療法士®︎/化粧体操指導士 ※資格に興味を持った方はコチラを要チェック! https://japanclinical-cta.org/manabu/ https://japanclinical-cta.org/manabu/ ●日本臨床化粧療法士協会HP https://japanclinical-cta.org/ ●臨床化粧療法士®︎を選んでオンライン相談ができるWEBサイト/アピラボ https://apilabo.jp/ ●河村しおり SNSリンク集 https://linktr.ee/makeup_lovers  Unique/Writing:Maeda Rie
  • 暮らしの中に必要な支援を考える。秋山正子さんInterview!暮らしの中に必要な支援を考える。秋山正子さんInterview!
    「暮らしの保健室」、「マギーズ東京」の開設という偉業を成し、ケアーズ白十字訪問看護ステーション統括所長も勤められる秋山正子さん。 コロナ感染の不安が広がり、医療、看護、介護へも影響が及ぶ中、制限しながらも、相談者への対応を続けられています。心の不安を受け止めてくれる存在が、どれほど人の支えになるか。身に染みて感じる今日この頃。“暮らしの中に必要な支援”について、秋山さんの思いをお伝えします。 扉の中は暖かいもう一つの我が家。「暮らしの保健室」のこと 大都会新宿にある戸山ハイツ。ホッと安らぐ懐かしさが漂うエリア。 秋山正子さんが開設した「暮らしの保健室」は、東京新宿区、築50年を超える「戸山ハイツ」33号棟の1階にあります。 木香を感じるウッドな造りの外観は、昔ながらの商店街の中では目を惹く存在。夕暮れ時、窓から漏れる優しい灯りからは、ふと覗いてみたくなるような人肌の温もりが感じられます。ここは、誰でも自由に訪れて、体のこと、病気のこと、介護や看護のことを相談することができる、まさに“保健室”。そして、この地に住む人々の孤独を癒し、不安や悩みを話せる心の拠り所でもあります。 秋山さんに、この「暮らしの保健室」でお話を伺えることになりました。 -とても落ち着く室内ですね。大都会の中にいるせわしさをまったく感じません。 秋山正子さん(以下:秋山さん)「ここは2011年にオープンしました。予約がいらないこと、いつ来てもいいこと、相談料がかからないこと、そして木を使った安らげる空間という、マギーズの考え方を取り入れて造ったんです」 楽し気なおしゃべりと、笑い声が溢れてる「暮らしの保険室」。地域の人の憩いの場。 -「マギーズキャンサーケアリングセンター」の創設者、マギー・K・ジェンクスさんの考えですね。優しい照明と自然を取り入れた温かい雰囲気、リラックスできる空間。これは「マギーズ東京」と同じコンセプトなんですね。 秋山さん「そうですね。病院でも自宅でもない、第二の我が家のような居場所。それがイメージです。ここは、2017年にグッドデザイン賞を受賞しています。「暮らしの保健室」の考え方を含めて評価していただようです」 「暮らしの保健室」は、マギーズをお手本にしたけれど、違うところは病気に限らずに、地域の方からの相談やご質問に対応しているところです。例えば、「家族が認知症になった」「旦那が病院に入院してしまった!」と不安な気持ちをお話に来る人がいたり、「何の薬か分からなくなってしまった」といった困り事を相談に来たり。ほんのちょっとしたことだけれど、わからなくなったり、不安になると、先に進めないんですよね。「暮らしの保健室」は、そういうちょっとした分からない事を気軽に話せる場所なんです」 2017年度グッドデザイン特別賞を受賞。「地域経済の活性化により経済発展に寄与するデザインとして特に優れたもの」として選出。 迷ったり、不安になったり、困った人への道先案内。 -いろんな相談がくると、対応しきれないこともたくさんあるのではないでしょうか?相談を受けるのはとても難しいように思います。上手な対応のコツというのはありますか? 秋山さん「私たちの相談支援は、セカンドオピニオンではないので、治療や医療に関して答えを出していくことはしていないし、できないんです。相談を受ける時は、相手の話をよく聴いて、一番大事にしていることは何か、何を解決したいと思っているのかを知ることから始めます。それが分かってきたら、悩んでいる中身を少し整理して、次に何を選択していくかを考え、その人が次に進んでいくための道先案内をしていくような感じです」 -「道先案内」とは、とてもわかりやすい表現ですね。秋山さんのそうした考えは広がっていて、「暮らしの保健室」は全国に50ヵ所以上開かれているそうですが、どの地域でも同じように運営されているのでしょうか? 秋山さん「「暮らしの保健室」は、立ちあげた方や地域の特性など、各施設がそれぞれの状況に応じたスタイルで運営を行っているんです。ただ、考え方や基本方針は皆同じです。患者さんや相談に来た方とは常に横並びの関係で、専門職が知識を伝授するとか、教え諭すようなことはありません。悩みをきいた上でどうしたらいいのかを一緒に考えて、病気や障がいをもった人が自分の足で歩いていけるようにする。この、自立支援の考えはとても大切で、「暮らしの保健室」の柱になる考えです。状況が変わっても、これだけは、譲れないところですね」 何があっても訪問看護が維持できる。その体制づくりが課題。 -ここ1、2年はコロナ対策で、入院すると家族や近しい人とまったく会えなくなってしまう状況が続いているので、自宅での療養を望む人が増えているようです。 訪問看護は、今、なくてはならない重要な存在ですが、利用者が増えていることもあり、人材不足の問題が益々深刻にならないかと心配です。 秋山さん「事業所の数は増えていますよね。ただ、ぎりぎりの人数で運営している事業所も少なくありません。そのため、災害やコロナなどの影響を受けると、人手に余裕がないために訪問ができなくなってしまわないかという心配があります。誰かが休んでもカバーできるくらいの余裕ある人材確保ができればいいのですが…」 -看護師、ヘルパー不足は患者さんにとっては深刻な問題です。解決への糸口があるとしたらどんなことでしょう? 秋山さん「人の問題は難しいですよね。白十字訪問看護ステーションのことを例に挙げると、訪問看護事業所の他に、看護小規模多機能型の施設「坂町ミモザの家」、そして「暮らしの保健室」といった事業内容の違う事業所を運営し、大変な時はみんなが連携して訪問看護を支えていくような仕組みを作っています。 話をしたり、相談できる場は、地域に住む人の支えになります。各家庭に訪問することだけでなく、目線を広げた地域のための活動が増えれば連携もとりやすく、人材確保にも繋がるのではないかと思っています」 「マギーズ東京」「暮らしの保健室」大切なことは話を聴く。対話をすること。 東京の豊洲に開設された「マギーズ東京」。緑に囲まれ、ここだけ別世界のような雰囲気。 -「マギーズ東京」に行ってきました。都会の埋め立て地にこんなに自然を感じる場が存在することに、まず驚きでした。室内の居心地もよく、訪れた人は緊張がほぐれて気分がよくなりますね。環境って大事だなとつくづく思いました。 秋山さん「マギーズ東京の開設は、イギリスでセンター長を勤める方と、がん看護に関する学会で登壇者としてご一緒したことがきっかけになりました。いつでも、誰でも相談に来れるように窓口を開き、がんを経験している人やご家族、友人など、がんに影響を受けるすべての人を受け入れて対応していることを知り、そういう場が日本でも必要だと強く感じたんです。病院以外で、病気のことから暮らしのことなど、気軽に相談できる環境の整った場、というものがなかったんですよね。それで、マギーズをつくる運動を始めました。 -日本では前例もないし、発想や考えを理解されにくかったのではないですか? 秋山さん「そうなんです。整った環境の中、がんに影響を受ける人がいつでも自由に来て相談することができる。そんな場をつくると言っても、理解してもらうのは大変でした。医療保険、介護保険も関係なく、収入源がない状態でどうやって運営するのかイメージできない…。ということをよく言われましたね。でも、すでにオープンしていた「暮らしの保健室」がいい見本となって、支援へと繋げていくことができました」 -「マギーズ東京」、「暮らしの保健室」の両方で大切にしているのは、どんなことでしょうか? 秋山さん「相談者さんが、診断を受けて気持ちが下がっていたとしても、自分で決めて進んでいけるようにサポートすることが私たちの役目です。相談に来られた方のことは、心理士、看護師などのスタッフが、毎日リフレクションという振り返りをして情報を共有しています。誰が対応しても導く方向が同じになるようにするためです。 「マギーズ東京」を利用される方への関わり方で、一番大切にしていることは話を聴くこと。対話することです。単なる傾聴ではなく、一緒に考え整理し、方向を共に探りながら話を聴く。それは、マギーズも保健室も同じです」 マギーズ東京の室内は木の香りでいっぱい。癒しとくつろぎの空間。 -気軽に相談できる場がある。それは医療や看護に留まらずに、人の暮らしの大きな支えになっていると思います。問題や不安が大きくなる前に、サポートできることもありますよね。 秋山さん「そうですね。今、生きづらさを抱えている人はたくさんいると思います。そういう方たちが気軽に相談できる場があると、問題に対して早めに対処ができるようになります。 例えば、体調が優れないとすぐに救急車を呼んで大きな病院に行こうとする人がいます。でも、それが一番いい方法かというと、そうではない場合もあります。かかりつけ医がいれば、話をきいてもらって解決できるかもしれません。訪問看護が通っていれば、体調の変化に早めに気付くことができるかもしれません。そんなふうに、救急車を呼ぶことになる手前でサポートできることがたくさんあるはず。ただ医療を使うのではなく、上手に医療にかかる。それは、必要以上に医療を使わないということも含めて、大事なことだと思います」 -難病でも、疾病の種類に関係なく、そうした垣根を越えて進む道を見つける場が必要です。難病患者が気軽に相談できる場をつくりたいと、お話しを聴いてつくづく思いました。少々、大きすぎる目標ですけれど…(笑) 幅広い世代の人が悩みや不安を相談できる場を各地域に。 -自分の家で最後まで過ごしたいと望む人がいたら、その思いに応えていきたい。秋山さんは、そのために必要な道を一つひとつ切り開きながら歩んでこられていますが、これからさらに、どのような道をつくっていこうと考えていますか? 秋山さん「地域の中でいろんな人と手を組んで、そこに住む人が最後までこの街で、自分の家で過ごすにはどうしたらいいのか。そんなことを相談できる場が、もっともっと増えて、こうした考えが広がってほしいと思っています。 今、若い患者さんは、自分の意思で医療者と相談しながら治療を行っている人が増えていますね。患者さんが自分の意思で選択できる、そんな時代になってきているのだと思いますが、やはり迷いや不安はつきないのかと。医療体制や考え方が変化しても、相談できる場、相談できる人がいることで安心を得られる人がいます。そんなふうに考えると、「暮らしの保健室」は、これからもっといろんな世代の人に利用してもらいたい。そういう働きかけも大切だと思っています」 -最後に、今後の活動について、教えてください。 秋山さん「全国各地に広まった「暮らしの保健室」が、それぞれの地で次の世代が育ち、受け継がれていくのを見守っていこうと思っています」 とあるメディアに掲載されていた秋山さんの言葉で、印象深く心に残っている一文があります。 「お一人お一人の人生の最後の場面に出会うことは、その方の“いのち“を物語として受け継ぎ、次の世代へ語り継ぐ役目を負ったということだと思わされることも多々ある」 次世代へと繋げていく。Uniqueも、こうした情報発信を行う上で、役目を負うのであれば、どんな役目なのだろう…と考えます。もっと多くを経験し、もっと深く思考し、続けていかなければ見えないものなのかもしれません。次世代へと繋げていく。その役目を実感できた時、はたしてやり遂げたと思えるのか。やり残したと思い、自分に落胆するのか。先のことは見えないけれど、一日、一日がその答えをつくる貴重な時間だということは、どんな時でも忘れずにいられそうです。 小さな町の保健室。秋山さんの考えが多くの地に広がり、人を支えているのだと思うと,温かい気持ちになれます。年齢、性別、疾患、生涯、すべての垣根を取り除く集いの場が、これからも各地に、各町に、増えていくことを願います。 秋山あきやま 正子まさこさん秋田市生まれ。1973年聖路加看護大学(現聖路加国際大学)を卒業。看護師・助産師を経て、1992年東京の医療法人春峰会の白十字訪問看護ステーションで訪問看護を開始。2001年ケアーズ白十字訪問看護ステーションを起業、代表取締役に。2011年「暮らしの保健室」を東京・新宿に開設、2016年NPO法人マギーズ東京を設立。2019年 第47回フローレンス・ナイチンゲール記章受賞 ◆マギーズ東京WEBサイト:https://maggiestokyo.org ※マギーズ東京へのご寄付はコチラから↓ マギーズ東京 | マギーズ東京を支援する (maggiestokyo.org) ◆暮らしの保健室 WEBサイト:https://kuraho.jp/ ※暮らしの保健室開設にご興味のある方へ・基本ガイド https://kuraho.jp/steps.html    Unique/Writing:Maeda Rie