年を明けて、寒さはピークに突入です。
冷えは体調を崩すきかっけにもなるので、体を冷やさないように注意が必要。
足が冷たくて、なかなか眠れない…。
体がこわばって、ふしぶしが痛い。
肩に力が入りっぱなしで、肩凝り、頭痛まで!
そんなふうに、冷えが原因で体調不良になっている人、増えているようです。
温めるには、下着などで体の外側から保温することも必要ですが、体の中から温めることがとっても大切なんです。
今回は少し薬膳の考えをもとにして、体を温める食事をご紹介します。
薬膳というと、難しい、理屈っぽくて面倒…と思われがちですが、実はとてもシンプル。
日常の生活の中で、気を配るのは3つだけです。
①食材には、体を温めるものと、冷やすものがあるので、季節と体調にあわせて選択する。
②体調を整えるにはバランスが大切。薬膳では陰と陽が半々の状態を保つようにするのが基本。
➜バランスのとれた日本食を日々の基本にする。
③できるだけ温かく調理(または温める)して食べるようにする。
この3つを毎日の食事に意識して取り入れると、食で体調を整える薬膳へとつながっていきます。①から③のポイントをもう少し、詳しくご説明します。
①体を冷やす食材と温める食材を知る
●旬の素材
地下(地中)で育つものは体を温め、地上で育つものは体を冷やします。冬は地下で育つ根菜類が多く、夏は地上で育つ体を冷やす食材が多いので、旬のものを食べれば健康維持に通じています。
●発酵
味噌や納豆、醤油、漬物、チーズやヨーグルトなどの発酵食品はカラダを温めます。
酒類では、日本酒や紹興酒は発酵して造るお酒なので温め効果あり。
●水分と調味料
水分の少ない食材は体を温め、水分の多いものやカリウムを含むものは体を冷やします。
塩や醤油は体を温め、酢を使った酸っぱさを感じるものや化学調味料を使ったものが体を冷やすので、調理の時のご参考に。
●飲みもの
コーヒー、緑茶、抹茶は体を冷やすので飲みすぎは要注意。反対に温めるお茶は、紅茶、プーアル茶、ウーロン茶です。
●体を温める食材、冷やす食材(例)
【体を温める食べ物】
・ニンジン・カボチャ・タマネギ・レンコン・ゴボウ・ジャガイモ・玄米・鮭・納豆・生姜など
【体を冷やす食べ物】
・キュウリ・キャベツ・レタス・ナス・ほうれん草・小松菜・タケノコ・スイカ・アサリなど
②和食中心の生活へ
和食はユネスコ無形文化遺産に登録されるほど、健康的で体調維持に最適な料理です。
調子が悪いな、元気が出ないなと思ったときはもちろんですが、普段から和食重視の生活を心がけたら、冷え性や、便秘、頭痛など、慢性的な悩み解決への近道になります。
③おすすめは味噌汁!
体を冷やす食べ物は炒めたり、茹でたりして、熱を加えて温かい料理にすると体を冷やしません。
あれこれ献立を考えるのが面倒なら、おすすめは味噌汁です。
味噌汁は今、専門店ができるほど注目の健康食!
体の中からあったかくして、心も一緒に冷え性改善でいきましょう!!
調子が悪い時の救世主はお粥
体が冷えると胃腸の状態も下がり気味になりがちです。胃のあたりがなんとなく調子悪い…というときの救世主は、お粥!
体も温まり、胃への負担も少ない、消化がいい、食べやすい。
いいこといっぱいのお粥です。
胃のあたりがムカムカ…といった人には「ニラ粥」がイチ押しです。
◆ニラ粥
お米からたくと柔らかくておいしいお粥ができるのですが、30~40分くらいかかってしまうので、時間がない人は炊いたご飯をお粥にしてもおいしく召し上がれます。
海苔の佃煮や梅干し、じゃこなど、お好きな付け合わせをトッピングして味を変えても楽しめますね。
【ニラの効能】
薬膳ではニラは肝臓、胃によい食材。ビタミンやミネラルが豊富。カロチンは1束で1日の所要量が摂取できるそう。さらに、にんにくと同じ「硫化アリル」を含み、胃液の分泌を促し内臓の動きを活発にしてくれます。
Kiluto(キルト=來人)
食育インストラクター・中医薬膳指導員
料理学校で古来からの日本の食文化、懐石料理を習い、さらに医として人を癒し治す薬膳料理を学びました。健康第一、笑顔の食卓づくりのために元気が出る料理情報を発信。家庭で簡単にできるレシピだけでなく、食材の効能など、体の調子アップにつながるヒントもお届けしていきます!