普通に生活していてもバランンスは崩れて、不調は増えていくもの。
自律神経はとても繊細。
だから、ちょっとしたことでバランスを崩します。
例えば誰かと喧嘩したり仕事のストレス、暑過ぎたり寒すぎて不快に感じた時なども副交感神経はドドッと下がり、反対に交感神経が立ってきます。
ああ、今負担がかかっているな~って気付けばまだいいのですが、気付かないままにバランスが乱れていくこともあるんです。
さらに悪いのは、気づいても「平気、まだ頑張れる」って体の悲鳴を無視してしまうこと!
自律神経が頑張って働いているときほど見た目の調子がよいということもあるので、そこは要注意ですね。
痛みや苦痛が伴わないので私たちは自律神経の働きに無自覚です。無自覚なまま過度な働きを続けていくとストレスが貯まり…その人にとって弱い部分に不調が出てきます。
胃痛や頭痛、持病の悪化など体の症状のみならず、鬱を始めとする心の病も。
なので、頑張っている神経を定期的に緩めてあげる(リックスさせる)ってとても大切な事です。
自立神経を調えるには?
…やっぱりヨガがおススメです。
そもそもヨガの目的はバランスの良い心身を作ることです。
別の言い方をするとヨガは体と心のバランス感覚を習得するためのプラクティス( 日常的な活動。習慣的な取り組み)とも言えますね。
わたしは、交感神経と副交感神経のバランスをとるにはヨガはうってつけのツールだと思っています。
その具体的な方法はヨガの呼吸と動きを合わせるという独特のやり方にあります。
自律神経のバランスが崩れると、体温・涙・唾液・ホルモン分泌・発汗・呼吸にも乱れが生じます。
でも、自分の意識で変化させられるものが一つだけありますね。
そう、それは呼吸です!
【連載3】でも説明させていただいたとおり、浅い呼吸、早い呼吸、深呼吸など、呼吸だけは意図的に変えることができるんです。
「呼吸は自分の意志で自律神経にアプローチできる唯一の方法です」は私がレッスンで使う定番文句ですが、まさにその通り。
呼吸を意識しながら行うヨガのポーズで、体の不調のサインをキャッチして、バランスを整えることにトライしてみてください。
体験してこそ気づきがある。
ヨガで自律神経を整えていきましょう!
自律神経が整ってきたかどうかは、目で見たり、数値がでたりしてわかるものではないですね。
「ヨガで整う?」と聞かれたら、わたしは自分の体験をお伝えしています。
(これまでの連載でちょこちょこ書いていますが、わたしは体も弱かったし、常に悩みを抱えているタイプだったのですが、いつの間にか教えるくらい元気に!)
それと、生徒さんから聞く体調の変化も参考に。
「ヨガをやめたら腰が重い・肩がこる・だるいなど不調に戻ってしまった、だからまた通います」と話してくれる方がいます。
続けているといつの間にか、少しづつ体調に変化が出てはいるけれど、忙しい日常に埋もれてしまって気づくことがないのでしょう。
でも、整える機会を失うとやはり、不調が出始める。
ヨガが自律神経のバランスを保つのに役立っているということを、そうして実感される方もいます。
私のレッスンで長く通ってくれる方には軽症のメニエール・パーキンソン・鬱・ADHDと診断された方がいますが、悩んでいた体の不調に変化が出ているという方もいます。
例えばメニエールの眩暈がひどく前屈のポーズが難しかった人が少しづつ前屈が深められるようになり、その結果、肩・首・背中の筋肉の緊張も緩みだして、長年の肩こりと偏頭痛が軽くなったと話してくれました。
お話を聞くと、長年続く辛い感覚が体と心にインプットされて
「私はメニエールなので前屈すると眩暈がする、怖いから出来ない」
と辛さの刷り込みでマイナスな感覚が増しているようです。
「大丈夫!1㎝ずつ落としていきましょう」
頭の下にクッションを高く積んで、
「大丈夫!眩暈がしてもケガはしません」と少しづつ思い込みが解けていくと、できなかったことができるようになってきました。
こんなふうに、心と体に作用して自律神経を整えることができるのは、ヨガの大きな魅力ですね。
ヨガのほとんどのポーズに自律神経を整える要素が盛り込まれていますが、今回はダイレクトに自律神経にアプローチし、しかも誰でもすぐにできるポーズをいくつか紹介します。
椅子に座ったキャットアンドカウのポーズ
以前このコラムでもご紹介した四つ這いで行うキャットアンドカウ。
この椅子に座ったバージョンです。
- 座骨を座面に着けて骨盤をしっかり立たせて座ります。
- 両手は腰に、息を全部吐き切ったところから始めましょう。
- 吐く息で背中とお腹を丸め込み視線はおへそ。吸う息で背骨を上に伸ばし胸を張ります
呼吸は鼻から。苦しければ口も使います。
10呼吸続けましょう。
気持ちが良ければもっと続けてもOK!
バッタのポーズ
うつぶせに寝た姿勢で行います。
自律神経(背骨)
- うつぶせに寝ておでこを床につけ腕は体側に着けておきます
- 息を吸いながら両手・両足を床から離し、頭と胸を持ち上げます
頭を前に突き出すように伸ばし、首の後ろが縮こまらないように気を付けます。
そこで3呼吸キープ。3回ほど行いましょう。
苦しいようなら手だけ、足だけ床に着いたままでもOK!
ポーズで大切なのは“呼吸と動きを合わせる”ことです。
呼吸を止めずに苦しくないポーズでキープしましょう。
ポーズの目的は気持ちの良い呼吸をすること。
これを忘れないでくださいね!
ヨガインストラクター yoko(ようこ)です!
「スローヨガ(のんびりゆったりヨガしましょ!)」を合言葉にデイサービスやお寺・スポーツクラブで主に高齢者に向けたレッスンを行っています。
全米ヨガアライアンス200・シニアヨガ/AEAJアロマテラピー2級/社会福祉主事任用資格/介護職員初任者研修終了/(財)メンタルケア協会認定メンタルケアスペシャリスト/市川市福祉課いきいき健康体操講
★連載1 はじめましてyokoです。
https://unique-w.net/category-kea/448
★連載2 呼吸を感じてみましょう。
https://unique-w.net/category-kea/1946/
★連載3 安らぎを得るための呼吸
https://unique-w.net/category-kea/2397/
★連載4 自分らしさの見つけ方
https://unique-w.net/category-kea/2983/
★連載5 ヨガへの疑問あれこれに答えます
https://unique-w.net/category-kea/3288/